体幹の力で赤ちゃんを軽くだっこする方法

手に力をいれず、体幹を使う方法をマスターできたら、今度は、赤ちゃんを体ひとつで軽くだっこする方法をお伝えします。以前は、さらしをつかっただっこをお伝えしましたね。

■今の子どもは「おんぶ」もできない?今だからこそ伝えたい「だっことおんぶ」の話
http://www.risktaisaku.com/articles/-/2047

今度は、さらしなしでも体ひとつで軽くだっこする方法の紹介です。首のすわった赤ちゃんであればできる方法から説明します。

子育て中の方は、腱鞘炎になる方が多いのです。赤ちゃんはどんどん重たくなることはあっても軽くはなりません。腕の力でだっこしようとすると、頑張る人ほど、無理をしてしまい腱鞘炎になります。手や腕に力を入れずに体幹を使えれば、腱鞘炎になりません。

体幹の力をひきだすため、先ほどのように手の甲を上にしてもいいのですが、だっこのほうが、起こすときより腕に力を入れてしまいやすいのです。ですので、影絵のきつねの手を両手で作ってください。そうすると、より確実に手や腕に力が入らなくなります。
 
その感覚がわかったらまず、普通に赤ちゃんを抱っこしてみましょう。あかちゃんの最下部は自分のおへそより上にしてください。まず、重心をあげて軽くしましょう。赤ちゃんの額にKISSできる高さを目安にしていただいてもいいです。

影絵の「きつねの手」を両手で作ると、より確実に手や腕に力が入らなくななる(イラスト:松井 大)

その際、股関節脱臼を防ぐため、赤ちゃんの足はしっかり自分のお腹に沿ってM字開脚になるようにしてください。

だっこした下の手をきつねの手にしてみてください。きつねの手をすると親指は下側になります。阿弥陀如来像では、親指が上をむいているものもありますが、そうではなく、親指が下です。

下の手は、赤ちゃんのおしりの下に。上の手は、背中あたりにくると思います。お子さんが大きければ、上の手は背中に沿わせず、下の手と左右対称にクロスさせる位置が安定します。

両手がきつねの手になった時点で、腕の力が使われていない事がわかりますでしょうか?力がまだ入っている人は肩の力を抜いてから、腕の力を抜いてみてください。赤ちゃんが落ちないように腕は添えていますが、赤ちゃんの体重は体幹で支えています。

先日、伊賀市で講演しましたが、忍者の里ではこのままでもかっこいいかもしれません!でも、きつねの手のままだと忍術っぽいし、急な動きによる赤ちゃんの落下が心配なので、腕に力をいれないまま、きつねの手を解除して、普通のだっこの手の形に戻し、手首だけ、内側にかえします。そうすると、普通にだっこしているようにしか見えません。しかし、腕の力ではなく、体幹でだっこできているので、体への負担が少ないのです。

体幹の使い方がわかると、赤ちゃんだけではなく、パートナーや恋人をだっこすることもできます♪自分より相手が大きければ相手の足の付け根部分をはさみあげるようにきつねの手でだっこします。自分より大きい人のお姫様だっこも可能です♪

小さめの赤ちゃんの場合のやり方もありますが、スキルが必要なので、それは、講演などを聞きにきていただければと思います。ひとりで試行錯誤するより、仲間と実践することをおすすめします。