子どもでも大人を救出できるかも?古武術を使った救出技を覚えよう!(※画像はイメージです。出典:Photo AC)

「春眠暁を覚えず」は冬から春への移り変わりの早春の時期をさすそうですが、そうはいっても、ぽかぽかしている春真最中も眠い気がします♪

今回は、防災技として紹介しているのに、「朝起きない人」を起こすのに役立ったと大絶賛されている古武術救出技をご紹介します。もともと介護の技なので、成人にも使えるのです。

古武術技のすごいところは、力がなくても相手を軽く起こせることです。いくつかの救出術を体験しましたが、女性や子どもでも成人男性を起こせる可能性があるのはこの方法だけでした。

最初に教えてくださったのは、古武術介護術の岡田慎一郎先生でした。今回紹介するものは、その後、子育て中のママたちと実際に体験しあうなかで、いくつか改良を加えたものになっています。

古武術技は免許皆伝などの師弟制度がないので、自分で体験できたら防災イベントなどで人に伝えていただいてかまいません。

ただ災害現場での救出は、基本的には複数で対応すべきです。とはいえ、火の手が迫る中、目の前でわが子が倒壊物の下敷きになっていたらそうも言っていられない場面もあるでしょう。

さらに複数で行う場合も、軽い力でできる方法を知っているかいないかでは、作業効率も変わってきます。地域ぐるみで覚えておいてほしい技です。

なぜ軽い力で、1対1で人を起こすことができるのかという仕組みを紹介します。人を起こそうとすると、手や腕の力で頑張ろうとしますよね。そうすると、腕力のある人が有利になります。

この時、腕の力がないのに、どんなに頑張っても、倒れている人は起こせません。

多いパターンその1は、相手の両手を自分の両手でつかんでひっぱろうとするパターン。人の重心はおへそにあるので、手をつかんでも重心は動きません。

両手で引っ張っても、重心はそのままなので動きにくい (イラスト:松井 大)

次に多いパターンその2は、頭をかかえるようにして、手首と肘と腕の力で起こそうとする人。腕の力があれば可能ですが、力がないとぐったりした頭は重いので上がりません。

手や腕の力が強い人以外は、この方法で人を起こすことはできない (イラスト:松井 大)