2020/03/13
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
新型コロナ対応としてもつながった日本と世界のマンガの絆
英語の後はスペイン語、中国語と続々
実は日本語版の後、すぐに英語版を作ったのですが、それからの展開はとても早かったのです。
英語版に訳してくださった方が、スペイン語に訳してくださる方を紹介してくださったかと思うと……
すぐに中国語版の話も出ました。それが11月の後半です。その後中国語訳の試案がでてきて配布の準備を始めようとしていた1月24日に、中国の武漢で最近流行している肺炎があるので、このコピーが欲しいという話をお聞きしました(「China needs this copy as the Wuhan pneumonia outbreak recently」という連絡がありました。まだWHOからCOVID-19の名称決定がある以前の話題だったので、最近の武漢での肺炎という表記になっています)。
マンガで対象にしているのは、感染した方の対策の話ではありませんが、COVID-19の感染の発生で心配になった人がミルクを買い占めるなんてことのないように、ミルクはミルクが必要な人にちゃんと行き渡るようにと願いを込めて、中国語版を作成しました。
この間、上海、北京、台湾の方々が力をあわせて、迅速にボランティアで訳を完成してくださっていることに感動していました。
ところで、中国語版は、二つ作るのが国際的には大切ってご存じでしたか? 简体字(かんたいじ)と繁體字(はんたいじ)、simplified Chineseとtraditional Chineseです。
この繁體字というのは、台湾のITの天才大臣、オードリー・タン氏が東京都のCOVID-19の対策サイトの言語選択欄で、「体」となっていたのを「體」に修正依頼してくれたということで話題にもなったので、覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200309-00010001-bfj-sci
その、東京都が「GitHub」を使って改善したサイトはこちらです。オープンソースにしているところが素晴らしいですね!
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp
オープンソースだとオードリー・タン氏だけでなく、国内のさまざまなエンジニアの力を生かすことができますね。感染者数のデータもオープンになっています。これからの情報はオープンであることが大事だなと思いました。
さて本題に戻って、二つの中国語の作成です。
上が简体字で下が繁體字になります。「りすからのひとこと」についても、注意事項とされるのか、補充事項とされるのか表現が違っていますね。
また、スフィア基準も含めて、国際基準の考え方の基本でもありますが、最低限の権利を保障し、一人一人の選択を大切にすることは当然の前提です。この話を「母乳対ミルク」の話とミスリードされるケースもほんとに多くあるので(特に女性の地位が低い国でそれが顕著ですが、それについてはまたいつか書きます)、それは絶対に避けなければなりません。
そのことを伝えるコマが、「母乳をあげる権利を保障するだけで、母乳をあげなくてはいけないとか義務の話ではないよ」いうコマです。
この、「権利」の文字は简体字と繁體字で違うんですね。勉強になりました。ちなみに「リス」はどちらも「松鼠」でした。日本語だと「栗鼠」と書いてリスと読みますが、松なんですね!
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』の他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/01
-
-
-
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
-
-
-
なぜ下請法の勧告が急増しているのか?公取委が注視する金型の無料保管と下請代金の減額
2024年度は下請法の勧告件数が17件と、直近10年で最多を昨年に続き更新している。急増しているのが金型の保管に関する勧告だ。大手ポンプメーカーの荏原製作所、自動車メーカーのトヨタや日産の子会社などへの勧告が相次いだ。また、家電量販店のビックカメラは支払代金の不当な減額で、出版ではKADOKAWAが買いたたきで勧告を受けた。なぜ、下請法による勧告が増えているのか。独占禁止法と下請法に詳しい日比谷総合法律事務所の多田敏明弁護士に聞いた。
2025/03/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方