改善の方法を提案することが大切です
第10回 社長がメディアトレーニングを嫌がっている場合
日本リスクマネジャ-&コンサルタント協会副理事長/社会構想大学院大学コミュニケーションデザイン研究科教授/
広報コンサルタント
石川 慶子
石川 慶子
東京都生まれ。東京女子大学卒。参議院事務局勤務後、1987年より映像制作プロダクションにて、劇場映画やテレビ番組の制作に携わる。1995年から広報PR会社。2003年有限会社シンを設立。危機管理に強い広報プロフェッショナルとして活動開始。企業・官公庁・非営利団体に対し、平時・緊急時の戦略的広報の立案やメディアトレーニング、危機管理マニュアル作成、広報人材育成、外見リスクマネジメント等のコンサルティングを提供。講演活動やマスメディアでのコメント多数。国交省整備局幹部研修、警察監察官研修10年以上実施。広報リスクマネジメント研究会主宰。2024年より社会構想大学院大学コミュニケーションデザイン研究科教授。
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前回「トップのメディアトレーニングは必要」と書いたことから、質問がいくつか来ました。「広報がメディアトレーニングしたくても社長が嫌がるんですよ。いい方法はありませんか?」「社長をどう説得したらいいですか?」。皆さんも同じ悩みを抱えていると思いますので、今回はいくつか解決策をお話したいと思います。
広報スタッフが先に身に付ける
広報担当者からのよくある相談をご紹介しましょう。「うちの社長、とても人柄がいいのに失言するので誤解されます」「立派な社長なのに、テレビに映ると姿勢の悪さが目立って自信がないように見えてしまいます」「情熱的に語るのに目を合わせないのです」「質問に対して受け身で、自分のペースで話せないのです」「広報が用意しても全然違う内容になってしまい、困ります」「いつもピンクのチーフをふわっとしたパフ型に入れるので、柔らか過ぎて困ります」「体が揺れるので止めたいのですが」「深刻な話なのに笑顔になるんです。直せますか」「最近、女性記者が増えてきて、身だしなみに気を付けないといけないと思っていますが、社長に言えなくて」「話すときに顎が上がるから、見下しているように見えます」……
このように、多くのケースは広報は気付いていてもなかなか言えない、というのが実態のようです。なぜ言えないのかというと、直し方が分からないからです。逆の言い方をすると、なぜ直さないといけないのか、どうやって改善したらいいのかを説明できるようにすればよいので、自分自身を改善できれば、自信を持って社長に提案することができるはずです。
広報スタッフがトレーニングを受けることで気付くことはいろいろあります。何といってもトレーニングを受けることの大変さが分かります。私も自分の対談動画を撮影しているのですが、それを始めてから、カメラの前で話すことがどんなに緊張するか、頭が真っ白になるかがよく分かりました。言おうと思っていたことを忘れてしまうのです。危機事案でなくても緊張するのですから、危機事案であればもっと神経がすり減ります。話す内容に集中し、外見のことなどは吹っ飛んでしまいます。そこをサポートできるのは広報の人だけです。そのためにも広報スタッフがトレーニングを受けることをお勧めしたいと思います。
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