希望者は全員避難

そして、台風当日10月12日です。

7時15分に気象庁は江戸川区に荒川流域(岩渕地点上流域)3日間積算流域平均雨量500ミリ予報を報告します。事態が想定しているよりも悪化していることが分かります。

江戸川区のハザードマップでは9時間前だと、広域避難はできないことが想定されています。3日間総雨量が500ミリに達するとの予報が台風当日に出てきた場合、実際にも交通機関の運休が決まっていたので、垂直避難や、それが難しい場合での状況に応じた避難しかできなくなります。

江戸川区は災害対策本部を10月12日8時に設置しました。 

9時45分、広域避難を選ばなかった利用者の自宅付近で、避難勧告が発表されます。そのため、避難を希望されていなかった利用者の方が急きょ、やはり避難したいという声が出てきました。

台風当日も気が抜けない状態であったことが分かります。

この前後の「みんな」の会話です。

写真を拡大 (注:イラストと人物は対応していません)

事態が急速に悪化する中、行政も含めた誰もがその段階での広域避難は困難になります。早期の決断や実践は、簡単ではありません。それでも、果敢にそれに挑んだSTEPステップえどがわの関係者の皆さまはすばらしいと思っております。時間はかかったものの、避難希望者と水害の危険がある利用者の避難は、当日の12時までに完了しました。

とはいえ、当日の心配はまだまだ続きます。

この後の えどがわメールニュースでは、12日18時12分と22時19分、13日1時32分と5時42分に以下の情報の発信が続きます。

■氾濫危険情報
【警戒レベル4相当情報[洪水]】荒川では、当分の間、氾濫危険水位を超える水位が続く見込み

さらに、13日4時8分には江戸川の情報も入ります

■氾濫警戒情報
【警戒レベル3相当情報[洪水]】江戸川では、氾濫危険水位に到達する見込み

13日には台風には通過していましたが、まだ氾濫の心配は残っていたことが分かります。

水位が下がるかどうか見守っていたところ、8時に江戸川区役所からメールが届きます。

このメールでみなさんがほっと一安心となりました。そして、同時にもちろん、まだまだ反省点や教訓も出てきたとお聞きしています。

避難先の確保は4日前から検討していても、難しかったので、あらかじめの提携が必要であること
災害時は、「通常の」派遣をしないが、「災害時の」派遣をしていく体制に組み替え、一緒に災害を乗り越える必要があること、その為にお互いにもっと話を詰めていくことを一人一人丁寧に行うこと
コーディネーター(介助の調整役)の災害の知識や意識を高めていけるような研修も行っていくこと
避難場所に行ったAさんは、床がブルーシートと毛布でとても寝られる状態ではなかったので、台風が過ぎ去った深夜0時に自宅に戻ったが、水位が心配な状況での夜中の避難は危険だった。避難場所の改善も必要

そんな課題が見えてきたそうです。