難しい行政勧告前の広域避難

この日、会議でも台風の危険性を認識した市川さんは、緊急事態宣言がありうることと、広域避難については迷いがあるものの、もっとひどい台風が来た際に役立つこともあるというアドバイスも受け、自主的広域避難検討を始め、各所に問い合わせを始めます。

ところが…

行政が広域避難勧告を出していない段階での集団での広域避難の受け入れ先の確保は難航を極めます。

この時、江戸川区の避難情報を発信するえどがわメールニュースで防災情報が発信されはじめます。

また同日午前中には、JRも12~13日の計画運休の可能性があることが報道発表されます。

この時、STEP えどがわでは集団での受け入れ先確保が難しいことが分かり、個別に受け入れ先を検討しはじめますが…

ホテル、個人宅とあたっていきますが、こちらも困難を極めます。

しかし、早期に避難を検討していたため、台風2日前の20時には、避難希望者の避難先は確保できました。

台風2日前の20時7分、事前の避難が特に必要な人や希望者の対応のめどがたち、スタッフで広域避難もしくは、垂直避難を実践していきます。

そして、次の日の台風到着1日前には、気象庁から江戸川区に荒川流域(岩渕地点上流域)3日間積算流域平均雨量300~400ミリ予報が伝えられます。

その後、自主避難者の受け入れ先についての広報が江戸川区から発信されました。

この時、STEPえどがわは、3日前から発動もありうるとお知らせしておいた緊急事態宣言を出します。

江戸川区では14時30分に江東5区による共同検討を始めます。

もう台風1日前なので、車での広域避難が可能な3日前は過ぎています。400ミリ以上で広域避難勧告となりますが、予報ではまだ400ミリ。判断が難しいところです。STEPえどがわでは、車で順次、利用者の避難を計画しているものの、慣れた自宅に少しでも長くいたい思いもあるであろう方々の移動は、当然時間がかかります。