東京都23区内の災害対策は多様です。それは、地形や過去の経験が様々だから。
お住まいの地域の防災対策が「その区ならでは」のものになっていることをご存知ですか? まずは、住んでいるまちのことを知り、そのまちで安心して暮らすための対策を知る。その行動次第であなたの大切な人の命が救われるとしたら…? 23区の「その区ならでは」をここで一挙にお伝えします!今回は、中央区です。住民の方の取り組みからご紹介します。
防災対策の三本柱
60万9000人と15万7000人。この数字は一体何の数字でしょうか。約4倍。中央区の昼間人口と夜間人口の差です。中央区の大きな特徴は、この昼夜の人口比。仕事や学校、そして買い物などで昼間に滞在している人が多い地域です。一方で、マンションなどの住宅も増え、分譲マンションが約870棟。賃貸マンションは、約1440棟も建ち並んでいます。
この特徴を捉え、中央区では、
1.地域防災の取り組み
2.高層住宅の防災対策
3.帰宅困難者対策
の三本柱で取り組みを進められています。
地震に対する建物倒壊、火災、総合の3つの危険量を町丁目(市街化区域内)ごとに測定し、危険度としてあらかじめ構成比率を定めた5段階のランクに分け地域危険度。この危険度を中央区で見てみました。
ランクの数字が大きくなるほど、地震に対する危険度が高くなりますが、2008年度の調査で、中央区では1ランクが88地域、2ランクが8地域、3ランクが2地域、4・5ランクは該当なしという結果となっています。
建物の対策などにていねいに取り組まれている様子を感じますが、上記三本柱ではどのような取り組みを進められているのでしょうか。
今回お話をうかがったのは、中央区総務部防災課 普及係長 若月光明様、総務部防災課普及係 木本悠紀夫様、総務部防災課普及係 石橋美優様です。
まずは、前回の第15回でも中央区内の高層マンションについて取り上げましたが、1.地域防災の取り組みと2.高層住宅の防災対策について教えていただきました。
2005年度から高層住宅の防災対策の検討が開始され、「防災マニュアル」の作成支援が行われたり、防災対策の内容が詰まったパンフレットの配布やDVDの貸し出しが行われました。
転機となったのは東日本大震災。震災前は「日々の理事会の業務で忙しい」、「大規模修繕の時期だから」などの理由で防災対策は後回しにされがち。しかし、大きな災害を目の当たりし、住民の主体性に変化が現れます。中央区は、震災前からパンフレットなどを配布していたため、東日本大震災が発生した時には、全国から対策に関する問い合わせがあったそう。しかし、震災を受けて、中央区も取り組みをさらに強化し、住民の主体性も掛け合わされます。アドバイザーの派遣が進み、固有のマニュアル作成などに臨むマンションも増えてきました。
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