夜の東京駅

東京都23区内の災害対策は多様です。それは、地形や過去の経験が様々だから。お住まいの地域の防災対策が「その区ならでは」のものになっていることをご存知ですか?まずは住んでいるまちのことを知り、そのまちで安心して暮らすための対策を知る。その行動次第であなたの大切な人の命が救われるとしたら…?23区の「その区ならでは」を、ここで一挙にお伝えします!今回は千代田区の後編をお届けします。

子どものための防災講座

乳幼児向けの防災訓練に力を入れる千代田区。現在は親世代からさらに対象を広げた取り組みも進めています。未来の防災リーダーを担う子ども向けの講座がそれ。「防災訓練の裾野を広げる」ことを目指し、小学生向けの講座も開催しているのです。

「『楽しく』をテーマに、夏休みに親子で参加できる講座。子ども用の防災手帳を用意し、災害時の家族との連絡方法などを親子で会話しながら記入します。私の子どもも工作が大好き。子どもが楽しい!と思える作業を講座の中に入れることを大切にしています」と、前回ご紹介した政策経営部災害対策・危機管理課長の加藤啓輔さんは話します。

「伝えるだけの講座」ではなく、子どもの立場に立った内容で、子どもと一緒に学ぶ場をつくっているんですね。

写真を拡大 書き込んで自分だけの手帳をつくる。手を動かすことで集中力も高まり、子どもたちも講座に前のめりで臨んでいる

またAR(コンピューターを利用し現実の風景に情報を重ね合わせて表示する技術。現実の風景の中で水害が発生したらどうなるのかが映し出される)を活用し、水害があったらどうなるのかという感触や、地震体験車で揺れを体感する機会も設けています。

水が足元まで来るとどんな状況になるのか、ARでリアルに体感する

「体験した子どもたちには『未来の防災リーダー』となってくれることを期待しますね」と加藤さんはいいます。