2016/06/27
ペットライフセーバーズ:助かる命を助けるために
よくあるペットの熱中症事例:
・冷房までいらないと思ってペットを閉め切った室内に留守番させて会社に行ったところ、予想以上に日中の気温が急激に上がり、帰宅したら、数カ所に置いてある飲み水の容器がすべて空になっており、ペットがグッタリしていた。
・カーテンをせず直射日光が室内に入り込む状態で、ケージの中などに入れ、犬が自分で涼しい場所に移動できない状態で留守番させてしまいペットが熱中症になっていた。
・ペットを車に乗せて買い物に行き、曇っていたので雨が降るかもと思い、窓も開けず、エアコンも付けずに駐車し、ペットを待たせたところ、買い物をしている間に日差しが強くなり、車内の温度が急上昇し、たった15分程度で熱中症のような症状になってしまった。
・スーパーマーケットの駐車場で、日陰だったのでエアコンの代わりに窓を少し開けた状態でペットを留守番させたところ、戻ってきたら直射日光が当たっているうえ、風通しが十分でなかったのと、不慣れな車内での留守番に人が通るたびに犬が興奮したため、体温が急上昇してしまった。
などなど、何も知らずに閉じ込められたペットは可哀想ですよね。。
もちろん、ペットの車内閉じ込め救出事案は、日本ばかりではなく、アメリカでも毎年、かなりの件数が発生しています。
ボストン市消防局のペット救出現場映像
消防士が車のドアを開けるために使っている道具のビデオ
みなさんの消防署では、どのように暑くなった車内からペットを救出しますか?アメリカでは下記のようにペットを救出しています。
車のオーナーが現場にいる場合:
・オーナーが鍵をなくしてしまい、車内のペット救出要請をした場合は、車のドアを開けるための同意書にサインをもらい、上記のビデオにあるようなツールで30秒ほどでドアを開けるか、ツールが無い場合は車の窓を割って救出する。
車のオーナーが現場にいない場合:
・消防士、警察官など2人以上が緊急避難により早急に救出する必要があると認めた場合は、レスキューツールで車の窓ガラスを割って救出する。
なお、救出後は、少しずつ水などを与えて落ち着かせ、リードをつないで、車道に出ないように監視すること。また、警察に車のライセンスプレートから飼い主を探してもらうこと。
ここで状況シミュレーション訓練です。
下記のビデオを参考に車の窓を割って車内のペットを救出する場合に気をつけなければならないことを3つ以上、挙げてください。正解は最後のページにあります。※すぐに解答を見ないように!(笑)
なお、どのような理由でも、動物を長い間、暑い車内に閉じ込めた状態にした場合、日本円にして約12万円〜52万円の罰金、または、6ヶ月から10年の禁固刑に処せられます。
また、場合によっては飼い主は当該動物の所有権を失い、2度と動物を里親施設などから譲り受けできなくなります。
■↓州によって、動物虐待に対する罰金の額や拘留期間が違う。
http://www.straypetadvocacy.org/PDF/AnimalCrueltyLaws.pdf
日本も同じように動物虐待は懲役や罰金に処せられます。
■↓動物愛護管理法
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/aigo.html
熱中症の見分け方:
・よだれを垂らして横たわっている。
・あえぐような呼吸をしている。
・耳を触ると、いつもより熱い。
・声をかけても、横になったままで苦しそう。
・意識がないか、あっても目しか動かさない。
ペットライフセーバーズ:助かる命を助けるためにの他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方