日米で議論の的に

アメリカでは泡消火訓練を定期的に行っていた各種実火訓練施設や消防学校、空港消防訓練施設など周辺から、高濃度の有機フッ素化合物の土壌汚染と水質汚染が確認されたが、地域を管轄する浄水場にPFOS、PFOAなどを除染する施設がなかったことから、周辺の汚染された水を飲んだり、赤ちゃんのミルクを作ったり、シャワーを浴びるなどをしていた住民が、がんになったり、赤ちゃんの奇形、幼児のさまざまな健康障害が報告されている。そのため付近の住民に血液検査などの健康調査を促し、土壌と水の除染なども早く取り掛かるべきだという地域住民の声も挙がっている。

日本では、石油コンビナートや地下駐車場などの泡消火設備でも、PFOS、PFOAを含む泡消火剤が使われており、身近に使われている。

5月15日放送のNHK「クローズアップ現代」でもPFOAの毒性がもたらす、環境への蓄積性や発がん性などがあること取り上げられた。

■クローズアップ現代:化学物質“水汚染” リスクとどう向き合うか
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4280/index.html

5月10日には、在沖米軍による泡消火剤などの土壌汚染について、国会でも指摘された。


屋良朝博「在沖米軍による土壌汚染」PFOS、PFOAなど 5/10衆院・環境委
(出典:YouTube)

すでにこれだけリスクの高い物質が消火剤に含まれているのであれば、本来、早急に使用を中止し、しかるべき廃棄方法で処分し、同等の消火能力を有する代替え泡消火剤がありそうだが、簡単ではなさそうだ。