ワールド ファイアーファイターズ:世界の消防新事情
有機フッ素化合物入り泡消火剤対策の危険性
国際条約で禁止も遅れる取り組み
一般社団法人 日本防災教育訓練センター 代表理事/
一般社団法人 日本国際動物救命救急協会 代表理事
サニー カミヤ
サニー カミヤ
元福岡市消防局レスキュー隊小隊長。元国際緊急援助隊。元ニューヨーク州救急隊員。台風下の博多湾で起きた韓国籍貨物船事故で4名を救助し、内閣総理大臣表彰受賞。人命救助者数は1500名を超える。世田谷区防災士会理事。G4S 警備保障会社 セキュリティーコンサルタント、FCR株式会社 鉄道の人的災害対応顧問、株式会社レスキュープラス 上級災害対策指導官。防災コンサルタント、セミナー、講演会など日本全国で活躍中。特定非営利活動法人ジャパンハート国際緊急救援事業顧問、特定非営利活動法人ピースウィンズ合同レスキューチームアドバイザー。
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日本は2022年禁止へ
今、世界の消防本部で泡消火剤の廃棄処理と代替が問題になっている。
4月29日~5月10日にジュネーブ(スイス)において、残留性有機汚染物質(POPs)に関するストックホルム条約(POPs条約)の第9回締約国会議(COP9)が開催され、新たに「ジコホル」および「ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩及びPFOA関連物質」を同条約の附属書A(廃絶)に追加することが決定された。
アメリカではすでに10年以上も前に泡消火剤に使われている、有機フッ素化合物であるPFHxSなどとその塩および PFHxS 関連物質、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)、「有機フッ素化合物」の一つであるPFOAが、環境への蓄積性や発がん性などがあることが指摘されていた。
■ストックホルム条約第9回締約国会議(COP9)が開催
https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/files/pops/SCCOP9.pdf
これらの物質については、今後、国際的に協調して製造・使用等の廃絶に向けた取組を行うこととなるが、日本では「化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)に 基づき、早ければ2022年にも国内での製造・輸入・使用等を禁止する」としている。
Toxic Firefighting Foam Causing Cancer in People Living Near Military Bases (出典:YouTube)
上記映像でも語っているように、地域住民の生命・身体・財産を守る消防が、すでに発がん性のある毒物が含まれる泡消火剤と分かっていて使い続けることによって、地域住民の健康を害することがあったり、また、消防士自らの健康被害を予防するためにも継続的な使用があってはならないということ。
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