ワールド ファイアーファイターズ:世界の消防新事情
ゴミ収集車の危険ゴミによる庫内火災対応について
ゴミ出しから収集まで一体的な取り組みを
一般社団法人 日本防災教育訓練センター 代表理事/
一般社団法人 日本国際動物救命救急協会 代表理事
サニー カミヤ
サニー カミヤ
元福岡市消防局レスキュー隊小隊長。元国際緊急援助隊。元ニューヨーク州救急隊員。台風下の博多湾で起きた韓国籍貨物船事故で4名を救助し、内閣総理大臣表彰受賞。人命救助者数は1500名を超える。世田谷区防災士会理事。G4S 警備保障会社 セキュリティーコンサルタント、FCR株式会社 鉄道の人的災害対応顧問、株式会社レスキュープラス 上級災害対策指導官。防災コンサルタント、セミナー、講演会など日本全国で活躍中。特定非営利活動法人ジャパンハート国際緊急救援事業顧問、特定非営利活動法人ピースウィンズ合同レスキューチームアドバイザー。
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今年、新型コロナウイルスによる自宅待機で、多くの家庭が断捨離を行い、大量のゴミが出たようだが、危険ゴミとされているスプレー缶(殺虫剤や整髪料など)、カセット式ガスボンベ、シングルバーナー用のガスカートリッジ(キャンプで使用するものなど)、またリチウムイオン電池類や使わなくなったマッチなどが燃えるゴミと一緒に出されているケースが日本各地で多数あった。
特に携帯電話(スマホ)や加熱式たばこのバッテリーとして使われているリチウムイオン電池が、ゴミ収集車後部の投入ホッパー(ゴミを庫内に掻き入れるドアの部分)に潰されたときの圧力によってショートし、発火したケースが3件相次ぎ、全国でも、同じような要因でゴミ収集車内での発火件数が増えている。
■リチウムイオン電池等の発火物が原因になる発煙・発火トラブル
https://www.jcpra.or.jp/municipality/dangerous/tabid/757/index.php
外見からはリサイクルマークでのみ表示されているため、その意味を知らない人には分かりにくいが、モバイルバッテリーや加熱式たばこなどには、「リチウムイオンバッテリー」が搭載されており、ゴミ収集車の庫内に積み込まれるとゴミを圧縮する際にプレスプレートに押しつぶされて発火し、火災に至る恐れがあるため、リチウムイオンバッテリー搭載製品は分別方法など含め各自治体の指示に従って廃棄する必要がある。
(出典:YouTube/(独)製品評価技術基盤機構)
3つの矢印の「リサイクルマーク」
https://www.jbrc.com/project/distinguish/
上記のビデオのようにゴミ収集車の投入ホッパー(投入口)部分での引火は、燃焼物の除去や初期消火が容易ではあるが、引火に気付かず、または除去に間に合わずに庫内で引火した場合、いち早く内容物を路面などに排出して外部で消火した方がよい。しかし消火のために路面に広げたゴミの量、場所や時間帯によっては、長時間の大渋滞になってしまい、交通への影響はさまざまな道路利用者にとって、大きな障害になってしまう。
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