■福祉避難所を運営するのは誰?

避難する場所の一つである「福祉避難所」を運営する立場である事業所を含めて、区内の福祉事業所の方々が集まり、避難してきた方々にどのように対応していくかをシミュレーションするための講習会「災害時の福祉事業所運営を考える〜利用者や避難者への円滑な対応に向けて〜」がねりま防災カレッジで行われたので、参加させていただきました。

続々と訪れる避難者の方の対応に追われます

机の上に福祉事業所の見取り図が置かれ、一枚一枚のカードを避難者として見立てます。避難者(演習の中ではカード)が続々と避難所に訪れます(演習の中ではカードが配られます)。参加者の皆さんは避難者を受け入れ、実際に避難所の運営を体感されました。

避難者一人ひとりの特徴をしっかりと捉え、対応を検討します

体験した事業所の職員の方は、「自分がいる事業所が避難所になることはわかっていたけど、実際にどのように対応するかということまでイメージができていなかった。体感してみて、『対応は職員の誰がするの?』『何名の職員で何名の方の対応ができるだろう?』とか想定しないといけないことがたくさん挙がりました。」とお話されていました。

「いざというときの受け入れが可能かどうか、受付をするのは誰か、受け入れ可能な避難者の人数は何名か、トイレが詰まってしまったらどうするかなど具体的な想定をして体制を整えておいてください」と、お話されたのは、講師を務められました兵庫県立大学大学院 減災復興政策研究科 准教授 阪本 真由美さん。

福祉避難所では病気や障害を抱えた人が来られます。専門用語の事前理解も重要です

区立小・中学校が指定されている避難拠点では、要配慮者の居室を設けることも検討されています。要配慮者の方だけが寝泊まりするお部屋。避難拠点には、介護などの専門職の方はいない状況が大いに考えられます。

「事前に体制を整えておく」のは誰なのでしょうか。
福祉避難所であれば、そこに勤務する職員の方々。

では、避難拠点では?
…そこに住んでいる住民の方々なのです。学校にいち早く到着したあなたが運営を担う立場になるかもしれません。でも、何から始めたらいいのか…どうやって進めたらいいのか、わからないことだらけですよね。少しでも段取りを理解するためにもまずはねりま防災カレッジに出かけるところから実践してみると何か一つでも不安が消えるかも。