東京都23区内の災害対策は多様です。それは、地形や過去の経験が様々だから。お住まいの地域の防災対策が「その区ならでは」のものになっていることをご存知ですか?まずは、住んでいるまちのことを知り、そのまちで安心して暮らすための対策を知る。その行動次第であなたの大切な人の命が救われるとしたら…?23区の「その区ならでは」をここで一挙にお伝えします!今回は、練馬区です。
■練馬区は安全?
東京都が発表している「地震に関する地域危険度測定調査結果」を見ると、練馬区は、総合危険度が4の地域が2地域だけ。202町丁目の中でも危険性がより高いと言われているランク「5」の町丁目はゼロ。ランクが1に向かって、危険性がより低くなるが、「1」の町丁目が67町丁目、「2」が94町丁目、「3」が39町丁目、「4」が2町丁目。ランクだけを見ると比較的「安全」に感じます。
この調査は、地震の揺れによる危険性を町丁目ごとに測定しています。危険性を(1)建物倒壊危険度(建物倒壊の危険性)(2)火災危険度(火災の発生による延焼の危険性)(3)総合危険度で評価しています。(3)の総合危険度は、(1)と(2)の指標に危険地域からの避難や、消火・救助などの災害時における活動のしやすさ(困難さ)を加味して総合化したものです。
「練馬は、危険度が高いところが相対的にはない」。
「火災が延焼しやすい木造住宅の密集地域がそんなにはない」。
「水害で沈没する心配もない」。
「比較的地盤が固い」。
というイメージが浸透しているように見えます。
「しかし、『想定外』のことが起こるということは他の地域でも実際に発生しています。何が起こるかわからないという危機感を持つことが大切です」。と、安全という意識の蔓延に危機感を持つ練馬区危機管理室 区民防災課長 杉山賢司さんはお話されます。
東京都の調査では、建物倒壊の危険度や火災延焼の危険度などの視点からの結果のみです。それぞれのご自宅の中の対策を見直してみたいですね。建物が倒れなくても家具が倒れてしまうことでけがをする危険性もあります。
「個」の安全性を考えた上で地域にも視点を向けるという考え方を区民の方と一緒に創っていこうと練馬区危機管理室の方々は、対策を練られています。
区職員が区民の方へ直接防災の話をする機会が限られており、「区民の方は、自分の地域が安全なのかわかりにくい面もある。そこで、様々な機会をとらえ、地域の実際の状況を知り、防災の意識づけにつなげていきたいと思っています」と話すのは、危機管理室 区民防災課 防災学習センターの萩原洋介さん。
萩原さんは、地域の町会、自治会、事業所、学校などに出向き出前防災講座を開催されているので、区民の方の防災意識を肌で感じられています。
一人ひとりの意識を変革し、先手を打って対策を行っていく「攻めの防災」を区長筆頭に取り組もうとされています。
その取り組みの一つが「ねりま防災カレッジ」。
2014年に開始され、対象者別に講座を開催。自助クラス、共助クラス、区民防災組織カリキュラム、小学生カリキュラム、中学生カリキュラム、事業所向け防災講習会、中高層住宅向け防災講習会、乳幼児の保護者向け防災講習会、女性防災リーダー育成講座、食と防災など対象も内容も豊富な種類の講座が展開されています。
「食と防災」というテーマであれば、災害時に家族の栄養補給をしっかりするためにも身近に感じられる内容かもしれないですね。小学生や中学生のカリキュラムもあるので、お子さんが体感してみると、家族で防災について話し合うきかっけになるかも。
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