2019/02/01
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
まず、なぜ災害時の乳幼児栄養法への理解が重要かというと、災害により、従来の保健医療ケアのシステムが追いつかなくなります。水がない、衛生状態も悪化、接触する人が増える事で感染症の危険も高まるのが災害時です。そんな中で、乳幼児の疾病率と死亡率があがることがわかっています。赤ちゃんの命にかかわる主なリスクは下痢なのです。
この時、母乳をあげ続けることが重要視されるのは、なぜでしょう?母乳にしか含まれない成分が存在するからと本郷さんはおっしゃいます。
衛生状態が確立されている日常と異なり、災害時、赤ちゃんを感染症や下痢から守るために、母乳だけに入っている抗ウィルス成分、抗寄生虫物質、抗ガン物質、抗アレルギー成分、抗体がとても重要になってきます。
たったティースプーン1杯で、菌を殺す成分が300万と言われています。
たったティースプーン1杯の母乳!それをあげるだけでも効果があるのであれば、母乳とミルクを併用している混合育児の母親にとっても、自分が赤ちゃんのために役に立つのだと実感できるうれしい事実ですので、希望になります。
反面、母乳を飲むことができない赤ちゃんは、感染症や下痢の危険から最も優先的に守ってあげなければいけない存在になります。安全に乳児用ミルクをあげられる環境づくりが必要になります。
ですので、母乳をほんの少しだけでも与えられる環境づくりを最大限重視したうえでの、ミルクが安全に与えられる場の確保、この優先順位を明記した2本立てが国際基準であることをまずは理解してください。
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』の他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方