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昆正和のBCP研究室
第25回:災害時の帰宅または移動の留意点
大災害の発生時には、公共交通機関の停止や道路の寸断などにより大量の「帰宅困難者」が発生する。とくに大都市の企業においては、こうした帰宅困難者に対する備えは必須だ。内勤、外勤それぞれの社員に対する備え、訪問客に対する備え、そしてどうしても帰らなければならない場合への備えは、十分だろうか。
2020/03/05
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第24回:安否確認のポイント
安否確認は、災害が発生した際に「利害関係者」が無事どうか、出社・帰社や移動は可能かどうかを尋ねる重要な作業です。しかしひと口に「利害関係者」といっても対象は多岐にわたり、被災時の状況も多様。コミュニケーション手段も一つではなく、必ずしも平時のツールが使えるとは限りません。「事前の備え」が重要です。
2020/02/20
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第23回:従業員の命を守るとはどういうことか?(2)
「激しい台風や豪雨の際は、新聞販売店では配達よりも従業員の安全確保を最優先する」。こうしたメッセージを新聞社または折込広告会社が発信するということは、悪天候時の配達の是非を新聞販売店の判断に一任するということ。では、最終的な意思決定者である新聞販売店では、配達員が安全に配達できるような仕組みを独自につくることは可能だろうか。
2020/02/06
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第22回:従業員の命を守るとはどういうことか?(1)
西日本豪雨(2018年)や2019年の台風15号・19号がもたらしたような大規模災害は“たまたま”起こった災害ではない。太平洋やインド洋などの熱帯海域で海面水温の上昇が続いており、それがたっぷりとエネルギーを蓄えた強烈な台風を次々に生み出す温床になっている。これからも毎年のように壊滅的な被害をもたらす激しい暴風雨や大規模な洪水が起こる可能性は、決して低くはないのだ。
2020/01/23
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第21回:気候変動と私たちの危機意識
昨年、姫路市が夏場のエアコンの設定温度を28℃から25℃に下げる実証実験を行い、その結果、残業が14%減って職員の8割強が「作業効率が上がった」と答えたそうである。この発表を受けて、ネット上にはさまざまな意見が飛び交っていた。「28℃の科学的根拠なんてなかったのだ」「今まで28℃でがまんして損をした」「28℃にこだわる必要なんてない!」といった声も少なくなかった。
2020/01/09
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第20回:「避難」をめぐるBCP的考察(その2)
前回は火災からの避難について取り上げた。同じ避難でも、自然災害の避難となると、企業はまた別の手順を考えなくてはならない。ここでは主に地震を想定した「訪問先での避難」「避難支援が必要な社員への対応」「避難用アイテム」の3つの側面から考えてみよう。
2019/12/19
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昆正和のBCP研究室
第19回:「避難」をめぐるBCP的考察(1)
災害が発生した時、BCP(事業継続計画)の最も初期の行動として重視されるのが、「いかにして社員の命を守るか」に関する手順、いわゆる初動対応や緊急対応と呼ばれるステップである。従来的な表現で言うところの「防災マニュアルに記載された手順」のことだ。
2019/12/05
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昆正和のBCP研究室
第18回:目標復旧時間の意義と導き方
BCPでは、どのガイドラインにも「目標復旧時間」を考慮すべきであることが説かれている。ガイドラインに忠実なBCPを作ろうとすれば、「目標復旧時間を決めるにはどうするか?」といった議論は避けては通れない。
2019/11/21
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昆正和のBCP研究室
第17回:情報収集と情報発信のポイント
前回、BCPにおける対策本部の活動の要は、突き詰めれば「情報力」にあると述べた。「意思決定に必要な情報をコンスタントに集める」とともに、「事業を取り巻く利害関係者に向けて適切な情報をタイムリーに発信する」という双方向の活動が中心となる、ということである。今回は緊急時における情報を取り巻く基本的な活動を少し掘り下げてみたい。
2019/11/07
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日本人初のBCIのフェロー資格者
ミネルヴァベリタス(株)顧問の田代邦幸氏は、事業継続マネジメント(BCM)の普及啓発を推進している国際的な非営利団体である BCI(注)から、同団体の資格としては最高位のフェロー(Fellow of the BCI:FBCI)の資格を授与された。
2019/10/10
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昆正和のBCP研究室
第14回:被害想定はどこまで書けば現実的か
一般に、危機の未然防止やリスクマネジメントに着手しようとしたら、どんな災害、どんなリスク、どんな危機にさらされうるのかを明らかにしなければならない。ここがはっきりしないと、その後の緊急対応方針や解決策(対策)、行動手順が決まらないからである。
2019/09/26
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ディスコが長野・熊本でBCMセミナー
半導体製造装置メーカーのディスコは、「事業継続活動セミナー」を同社の事業所がある長野県茅野市と熊本県益城町で開催する。参加は無料。茅野市は24日、益城町は30日に開催。茅野市開催分は当日午前まで申し込み可能。
2019/09/20
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海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!
第75回:BCMの関係者が考える組織のレジリエンス
BCMの専門家や実務者による非営利団体であるBCI(注1)は、組織のレジリエンスに関するアンケート調査の結果を『Organizational resilience: Perspectives from the industry』という報告書として2019年7月に発表した。アンケート回答者の多くがBCI会員(つまりBCM関係者)だと思われることから、この調査結果はあくまでもBCM関係者が組織のレジリエンスをどのようにとらえているかを表すものと考えるべきであろう。
2019/07/30
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昆正和のBCP研究室
第8回:BCPやBCMを「コストセンター」とみなしてはいけない
社長や経営者にとってコストは常に目の上のたんこぶである。一般従業員の場合、売上が増えたり業績が伸びたりすれば素直に喜ぶだろうけど社長や経営者はそうはいかない。「その売上はいったいいくらのコストがかかり、いくらの儲けが出ているのだ?」と。
2019/06/20
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サプライヤー対策、BCP策定率上回る
MS&ADインターリスク総研は2月26日、国内全上場企業3535社を対象に実施したBCM(事業継続マネジメント)の実態調査の結果を発表した。回答数は352社。前回調査の2015年度比でBCP(事業継続計画)の策定率や訓練の実施率が上昇した。また、サプライチェーン対策を行う企業の割合がBCP策定率を上回った。
2019/03/22
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海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!
第67回:世界のBCM関係者の懸念は今年もまたサイバー攻撃
BCMの専門家や実務者による非営利団体 BCI(注1)は、英国規格協会(BSI)と共同で、3月に「Horizon Scan Report 2019」を公開した。
2019/03/12
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オーナーなどの車から給電して店内レジを稼働
内閣官房国土強靱化推進室は4日、「企業における事業継続~巨大災害時代における企業の備えと防災人材の育成~」と題したシンポジウムを北海道札幌市で開催した。9月6日未明に起きた北海道胆振東部地震において、道内に拠点をおく企業3社の災害対応や事業継続の先進事例を発表し、災害時でも経営損失を最小限におさえるBCP(事業継続計画)策定の重要性を学んだ。
2018/12/13
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災害時でもカップヌードルを供給し続ける
「教科書通りに作ったBCPでは機能しない」。東日本大震災以降、BCPを構築してきた日清食品ホールディングスは、2017年からそれまでのBCPを根本的に見直す作業に着手した。同社が今もっとも重視しているのは、自社施設が被災するような災害時において、主要商品を供給し続けるために、各業務の意思決定を誰がいつまでにどう行うのか、その責任の所在とプロセス、時間制限の明確化だ。
2018/12/04
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海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!
第58回:BCPを発動した結果に着目したアンケート調査
BCMへの取組状況やBCPを作成したかどうかなどを調査した報告書はこれまで多数見てきたが、BCPを発動した後に関するアンケート調査はあまり多くないように思う。本稿ではそのような調査結果の一例として、BCMを中心とした情報サイト「Continuity Central」(https://www.continuitycentral.com/)が実施したアンケート調査の結果を紹介する。
2018/10/16
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『事業継続の問題・課題はPDCAでやっつけろ!』
第19回(最終回):経営方針が変わってBCMが消滅寸前!?(適用事例13)
最近になってBCM(事業継続管理)担当のMさんは、しばしば浮かない顔をするようになりました。先ごろ行われた経営会議で、思わぬ言葉が社長の口から出たからです。それは経営方針が大幅に変わるという話です。景気回復にともない、より収益性の高い製品を開発するために新事業部門を立ち上げるというのです。そして、この流れの一環として当年度中に組織全体を新体制に移行するとのこと。
2018/08/02
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BCI Asia Awards 2018、日本人3人が同時受賞
事業継続マネジメント(BCM)の専門家や実務者による非営利団体BCI(注1)は23日、アジア地域における年次表彰「BCI Asia Awards 2018」の受賞者を発表。ミネルヴァベリタス(株)の松井裕一朗氏が「Continuity and Resilience Professional Private Sector 2018」を、同社の笠井寛太氏が「Continuity and Resilience Newcomer 2018」を、また(株)サイエンスクラフトの田代邦幸氏が「Continuity and Resilience Industry Personality 2018」をそれぞれ受賞した。
2018/07/27
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海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!
第50回:BCM関係者はこれから何に注力しようとしているか
おかげさまで本連載も50回目を迎えることができました。細々とではありますが、このような連載を続けてこられたのも読者の皆様のおかげです。誠にありがとうございます。とはい 50 回目だからといって特に何か記念するわけでもなく、いつもどおり淡々と海外の調査レポートをご紹介したいと思います。
2018/06/19
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『事業継続の問題・課題はPDCAでやっつけろ!』
第15回:その対策、予算の都合で見合わせとします!(適用事例9)
角館カクオさんの会社は、BCPを策定してから7年が立ちます。東日本大震災が発生した2011年に社長の鶴の一声でBCP策定プロジェクトを立ち上げ、メンバー全員が明日は我が身と大地震の脅威を共有しつつ、目を血走らせてわずか3カ月で作り終えたものです。BCPが完成してからは、いわゆるBCMの運用指針にしたがって、定期的な見直しや更新などを行ってきましたし、一般的な防災レベルではありますが、教育や訓練も毎年欠かすことなく続けてきたのでした。
2018/06/07
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『事業継続の問題・課題はPDCAでやっつけろ!』
第13回:BCM業務の引継ぎはマイナーな問題だけど…(適用事例7)
人事異動は会社の宿命です。せっかく今の業務に慣れ親しんできたなあと思った矢先、「〇〇さん、あなた△△部門への異動が決まりました。まあがんばってください」と上司に言われる。こんな時、もしあなたがいまの業務や人間関係に満足していないなら新しい希望が見えてきたように思うかもしれませんが、多くの場合、異動を不安材料ととらえるでしょう。身に付けた知識も経験も、仲間も変わってしまうのですから。
2018/05/10
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マスク60万枚にオリジナルアプリ、ディスコの感染症対策
半導体の元となるシリコンを研削、切削、研磨する半導体製造装置の製造と販売を行う株式会社ディスコ(東京都大田区)は、国内でいち早くBCPの構築に着手し、地震だけでなく新型インフルエンザなど感染症に対する危機管理にも力をいれている。同社の感染症に関するBCPを取材した。
2018/03/19