第20回:「避難」をめぐるBCP的考察(その2)
外国人など要配慮者への手当ては必須
BCP策定/気候リスク管理アドバイザー、 文筆家
昆 正和
昆 正和
企業のBCP策定/気候リスク対応と対策に関するアドバイス、講演・執筆活動に従事。日本リスクコミュニケーション協会理事。著書に『今のままでは命と会社を守れない! あなたが作る等身大のBCP 』(日刊工業新聞社)、『リーダーのためのレジリエンス11の鉄則』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『山のリスクセンスを磨く本 遭難の最大の原因はアナタ自身 (ヤマケイ新書)』(山と渓谷社)など全14冊。趣味は登山と読書。・[筆者のnote] https://note.com/b76rmxiicg/・[連絡先] https://ssl.form-mailer.jp/fms/a74afc5f726983 (フォームメーラー)
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■訪問先での自分の安全をいかに確保するか
前回は火災からの避難について取り上げた。同じ避難でも、自然災害の避難となると、企業はまた別の手順を考えなくてはならない。ここでは主に地震を想定した「訪問先での避難」「避難支援が必要な社員への対応」「避難用アイテム」の3つの側面から考えてみよう。
訪問先の会社でのミーティングや会議中に大きな地震に遭遇した場合、個人の行動の進退が問われることがある。例えば「客先で地震に遭遇したが、長居は先方の迷惑になるので、とりあえず訪問先を後にした」「得意先で用件を済ませた直後に地震に遭遇し、一度は避難のために訪問先に戻ろうとしたが、迷惑になると思ったのでやめた」といったことである。
被災のレベルによって異なるが、基本的に大地震などでは会社は社内にいる訪問者を守らなくてはならない。しかし現実問題として防災意識や危機管理意識の高い会社ばかりとは限らない。社内が混乱し、あなたの身の安全を確保する余裕がないのであれば、その場に留まることは必ずしもプラスにはならない。帰宅難民になることを奨励するわけではないが、ここから先は自己責任の範囲、つまり早々と外へ出て、路上で地震に遭ったときと同じ避難と安全確保の手順を実行しなければならない。
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