環境省は25日、発がん性が疑われる有機フッ素化合物「PFAS」について、全国の地下水や河川の調査結果を発表した。2023年度は東京、神奈川、大阪、広島、沖縄など22都府県の242地点で国の暫定目標値を超えた。いずれも飲用ではなかった。このうち今回新たに超過が確認されたのは42地点だった。
 PFASはかつて、はっ水加工や泡消火剤などに使われてきた。国は21年までに代表物質「PFOS」と「PFOA」の製造・輸入を禁止。両物質の合算で1リットル当たり50ナノグラム(ナノは10億分の1)の暫定目標値を設定している。
 39都道府県が23年度に2078地点で実施した測定結果を同省がまとめた。濃度が最も高かったのは大阪府摂津市の地下水で、目標値の520倍に当たる2万6000ナノグラム。米軍基地が集中する沖縄県嘉手納町では、測定した全13地点で目標値を超えていた。 
〔写真説明〕環境省=東京都千代田区

(ニュース提供元:時事通信社)