東日本大震災で津波により被害を受けた気仙沼(AdobeStock)

ようこそ、ポッドキャストシリーズ「日本における人道支援のリスク」へ。ホストのジョエル・チャレンダーです。そして今回もチャールズ・マクジルトンさんをお迎えしています。前回のエピソードでは、状況のアセスメントが資源配分の基盤となることについてお話しました。今回は、資源管理をより深く掘り下げ、災害対応におけるサプライチェーン管理の概念を導入していきます。前回はアセスメントに焦点を当てましたが、今回は資源管理を戦略的に考える方法について議論します。「プッシュ」「プル」モデルについても取り上げ、既存のサプライチェーンを活用する実例を共有します。

このポッドキャストは、リスク対策.comの共催でお届けしています。

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ジョエル:それでは始めましょう。まず、プッシュ・プルモデル、資源管理、サプライチェーン活用についてのご意見をお聞かせいただけますか?

チャールズ:前回のポッドキャストでアセスメントについて話しましたが、今回は必要な資源を必要なタイミングで必要な人々に届けることに焦点を当てます。資源には食料からボランティアまで幅広いものが含まれます。災害支援は「プッシュ」「コールフォワード」「プル」という3つのフェーズで考えられます。プッシュは、空の倉庫に手元にあるものを詰め込むようなイメージです。コールフォワードでは、倉庫内で何が必要かを教えてくれる人がいる状態です。そしてプルは、災害時にコミュニティのニーズに基づいて行動するフェーズです。

ジョエル:興味深いですね。災害対応のリーダーとしての経験を通じて、どのように考え方が進化しましたか?

チャールズ:私は、2002年に日本初のフードバンクを設立したとき、上智大学で大学院プログラムを始めたばかりでした。研究テーマは、アメリカと日本におけるフードバンクの発展を比較するものでした。当初は、受け取ったものをそのまま他の組織や困っている人々に「プッシュ」するモデルで運営していました。2011年の東日本大震災後、人道支援物流協会(Humanitarian Logistics Association)のオンラインコースを受講し、「プッシュ」「コールフォワード」「プル」モデルの概念を初めて知りました。この考え方は衝撃的でしたが、同時に非常に理にかなっていました。また、フードバンクと災害支援が異なることも理解しました。

資源管理のタイミング

ジョエル:東北での経験から、資源管理やタイミング、優先順位付けが重要だと学ばれたと思いますが、例えば大阪で大地震が発生した場合、フードバンクや慈善団体は即座に動くべきでしょうか、それともまずアセスメントが必要でしょうか?

チャールズ:良い質問ですね。答えとしては、災害が発生する前にすでに動いているべきです。組織は、いつ、どのように対応するかを事前に議論しておく必要があります。災害時には感情が高ぶり、他の組織の行動に影響を受けることがあります。しかし、事前に議論しておけば、迅速に行動する準備が整います。例えば、能登半島地震が元日に発生した際、ある主要なフードバンクは対応準備が整っておらず、スタッフを動員し被災地に到着するまでに6日かかりました。このような遅れは取り返すことができませんし、対応能力にも疑問を持たれます。

ジョエル:では、具体的なシナリオ、例えば休日中の災害や地震、暴風雨などを想定した計画も、事前の準備に含めるべきなのでしょうか?

チャールズ:その通りです。企業や行政は、休日中に発生する災害に備えた計画を持っていますが、組織も同じように計画を立てるべきです。災害が発生した際、最低限でもアセスメントチームを派遣するべきです。理想的には2人、最低でも1人でも良いので、現場に行って状況を確認できる体制が必要です。そのチームは、現地の自治体や他の支援組織に自己紹介し、情報を収集します。経験上、休日中でも災害対応のためにボランティアを募集すれば、すぐに十分な人数が集まります。ほとんどの人は「休日が終わってから」とは言わず、すぐに助けに行く準備ができています。

ジョエル:災害後に支援活動を行うNGOやフードバンク、信仰団体などの場合、すぐに動ける人とアセスメント用のチェックリストを用意するべきだということですね?

チャールズ:その通りです。アセスメントを行うために高度な訓練や長年の経験が必要だとは限りません。A4サイズの簡単なチェックリストでも十分効果を発揮します。例えば、自治体に確認を取ったり、主要な連絡先を集めたり、他のNGOと連携していることを確認するなど、基本的ですが重要なタスクがあります。初動で連絡を確立すれば、現地でゼロから始める必要はなくなります。技術的な経験は価値がありますが、日本のような環境では必須ではありません。