東日本大震災で津波により被害を受けた南三陸町(AdobeStock)

ようこそ、ポッドキャストシリーズ「日本における人道支援のリスク」へ。私の名前はジョエル・チャレンダー。日本で20年以上、防災や災害に関する通訳をしています。

今回は、企業から寄附を受け生活困窮者などに配給するフードバンクという活動を日本で立ち上げたチャールズ・マクジルトン氏との対談内容を紹介します。彼は、セカンドハーベスト・ジャパンという団体で、日夜、路上生活者への支援活動を行なってきました。東日本大震災では、いち早く現地にかけつけ、ボランティア活動を展開しています。こうした経験から得られた重要な教訓を共有し、将来の災害時における人道支援の課題について考えていきます。それではお楽しみください。

ポッドキャストを直接聞きたい方は、下記よりアクセスしてください。※英語版のみ
https://vimeo.com/1028704059?share=copy

 

チャールズ:私たちは、災害対応の複雑さを実体験してきました。このシリーズでは、リスナーの皆さんに、支援活動の舞台裏で実際に何が起こっているのかを伝えようと思っています。この話を、贈り物を友達に買うシチュエーションに置き換えてみてください。たとえば、忙しい中で友人が好きな和食の料理本を探すために、新宿や渋谷、神田などの本屋を駆け巡るとします。でも、贈った料理本を見て、友人は和食を食べるのが好きだけど、作るのは好きじゃないことに気づきます。人道支援も同じで、被災地で支援物資を集めて配るのですが、その意図が必ずしも受け入れられるわけではありません。支援活動の際には、そうした点を意識する必要があります。

ジョエル:興味深い比喩ですね。少し背景を説明しますと、チャールズさんは2023年7月にセカンドハーベスト・ジャパンのCEOを長年務めた後、その役職を辞任しました。おそらく多くのリスナーが日本で彼と関わったことがあるでしょう。その後、ハーバード・ケネディスクールでの学びを終え、今夏再び日本に戻ってきました。アメリカではどのような活動をされていたのでしょうか?

チャールズ:今年の夏は、セカンドハーベストでの経験や東北での災害対応を振り返る内容の本の草稿を書き上げました。また、ハーバードで学んだことを別の視点から見直し、それを本にまとめる作業を進めていました。ジョエルさん、あなたはSEMIで12年間働いていますが、最近はどのような災害対応に取り組んでいるのですか?

ジョエル:そうですね。あなたが実際に日本で支援活動を行っているのに対して、私はより政策的な面から関わってきました。特に、フロリダ州での国家ハリケーン会議や高齢者の避難に関する調査を、日本政府やNGOと一緒に行ってきました。現在もフロリダでハリケーン対応の調査が進行中です。さて、最初のトピックに入っていきましょう。それは「評価」についてです。チャールズさんは、大きな災害、例えば東北や能登半島の災害後の正確な評価の重要性をよく話しています。そもそも、評価とは何を意味するのでしょうか? また、評価の際の落とし穴は何ですか?