2025/04/20
防災・危機管理ニュース
大阪・関西万博の開幕から20日で1週間。初日の13日には約11万9000人が来場したが、混雑から通信障害が発生し、日本国際博覧会協会は通信環境の増強などに追われた。2日目以降の平日は一転して初日の半数程度となり、混雑対策に加え、来場者を呼び込む機運づくりも求められる。協会は今月下旬からの大型連休を「試金石」と位置付け、対応を急ぐ。
2度目の週末となった19日は晴天。朝から多くの人が訪れ、日傘を差して並ぶ人の姿も目立った。海外パビリオンはインドなど4カ国が内装工事中。アンゴラも技術的調整を理由に閉館している。
初日は激しい風雨で、最寄りの夢洲駅付近は来場する人と帰る人でごった返した。入場ゲート前には行列ができた上、通信障害も発生し、スマートフォン上で電子チケットを表示できなくなる人が続出。予約不要のパビリオンでは2時間待ちの列もできた。
協会の石毛博行事務総長は翌日の記者会見で「毎日不断の改善を行い、快適に過ごせるよう努める」と強調した。まず着手したのが通信環境の改善だ。ゲート前にWi―Fi(ワイファイ)を設置し、大手携帯電話事業者は移動基地局車を配備した。協会は来場者にも、入場時に提示するQRコード画面の印刷やスクリーンショットでの保存を事前にしておくよう呼び掛けた。
混雑回避のため、予約不要のパビリオンには、予約制の導入や整理券の配布などを要請。初日に長蛇の列となったアイルランド館は2日目から整理券の配布に切り替えた。米国館は19日から予約制を導入した。
暑さ対策も重要だ。協会は冷却ミスト、涼風を送る「スポットクーラー」、給水所などを整備。パラソルやテントも置き、日陰を増やした。
一方、2日目以降の平日は、来場者数が4万~7万人超で推移。18日までの来場者総数は約41万人で、スタッフなどを含めると約51万人だった。
協会は会期末までに2820万人の来場を想定。逆算すると1日平均15万人で、現状ではこの数字を大きく下回る。
伊東良孝万博担当相は18日の記者会見で平日の来場者数について「全然足りない。もっともっと企画やPRをしていきたい」と述べた。
〔写真説明〕大阪・関西万博会場の東ゲート付近に並ぶ携帯電話各社の移動基地局車=18日、大阪市此花区
〔写真説明〕週末を迎え、多くの人でにぎわう大阪・関西万博の会場=19日午後、大阪市此花区
(ニュース提供元:時事通信社)


防災・危機管理ニュースの他の記事
- 混雑対策と集客の両立課題=万博、大型連休「試金石」に―開幕1週間
- ロシア、30時間の一方的停戦宣言=対ウクライナ、復活祭で
- 「新型コロナは武漢研究所から流出」=米ホワイトハウスが特設サイト
- 兵庫・豊岡で31.2度=真夏日続出、熱中症注意
- 4階建て建物崩壊、4人死亡=印
おすすめ記事
-
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/15
-
BCMSで社会的供給責任を果たせる体制づくり能登半島地震を機に見直し図り新規訓練を導入
日本精工(東京都品川区、市井明俊代表執行役社長・CEO)は、2024年元日に発生した能登半島地震で、直接的な被害を受けたわけではない。しかし、増加した製品ニーズに応え、社会的供給責任を果たした。また、被害がなくとも明らかになった課題を直視し、対策を進めている。
2025/04/15
-
-
生コン・アスファルト工場の早期再稼働を支援
能登半島地震では、初動や支援における道路の重要性が再認識されました。寸断箇所の啓開にあたる建設業者の尽力はもちろんですが、その後の応急復旧には補修資材が欠かせません。大手プラントメーカーの日工は2025年度、取引先の生コン・アスファルト工場が資材供給を継続するための支援強化に乗り出します。
2025/04/14
-
新任担当者でもすぐに対応できる「アクション・カード」の作り方
4月は人事異動が多く、新たにBCPや防災を担当する人が増える時期である。いざというときの初動を、新任担当者であっても、少しでも早く、そして正確に進められるようにするために、有効なツールとして注目されているのが「アクション・カード」だ。アクション・カードは、災害や緊急事態が発生した際に「誰が・何を・どの順番で行うか」を一覧化した小さなカード形式のツールで、近年では医療機関や行政、企業など幅広い組織で採用されている。
2025/04/12
-
-
-
防災教育を劇的に変える5つのポイント教え方には法則がある!
緊急時に的確な判断と行動を可能にするため、不可欠なのが教育と研修だ。リスクマネジメントやBCMに関連する基本的な知識やスキル習得のために、一般的な授業形式からグループ討議、シミュレーション訓練など多種多様な方法が導入されている。しかし、本当に効果的な「学び」はどのように組み立てるべきなのか。教育工学を専門とする東北学院大学教授の稲垣忠氏に聞いた。
2025/04/10
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方