【ニューヨーク時事】米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は10日、自動運転の無人タクシー事業から撤退すると発表した。傘下のGMクルーズが事業を手掛けてきたが、安全なサービスの開発に難航している上、競合に先行され、収益化が難しいと判断した。これを受け、ホンダはGMと進めてきた自動運転分野での提携を解消する。
 GMクルーズは昨年、米カリフォルニア州サンフランシスコで歩行者を巻き込む事故を起こして以降、米国内で全てのサービスを停止。試験走行に取り組み、サービスの再開を目指していた。
 発表によると、GMはクルーズの無人タクシー開発に対する資金提供をやめ、今後はGM車に搭載されている先進運転支援システム(ADAS)の性能向上や完全自動運転の実現に注力する。来年6月末までにクルーズとGMの技術チームを統合・再編することで、年間10億ドル(約1500億円)以上の支出を削減できるとみている。
 ホンダはクルーズと協力して2026年から東京都内でサービスを始める方針だったが、計画を中止。クルーズに数%を出資していたが、保有株を売却し、今後は独自で無人タクシー開発に取り組む。 
〔写真説明〕自動運転サービスを発表する(左から)ホンダの三部敏宏社長(左)、GMクルーズのカイル・ボークト最高経営責任者(CEO)(当時)ら=2023年10月19日、東京都港区

(ニュース提供元:時事通信社)