東京電力は26日、福島第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しについて、今月中の再開を見送る方針を示した。回収装置のカメラの不具合で17日から中断しているが、同社は格納容器内の高い放射線量が機器に影響しているとみて、引き続き調査を進める。
 東電によると、カメラの半導体を放射線が通過することで「電離作用」と呼ばれる現象が起き、過剰な電流が発生したことなどが不具合の原因と推定している。今後、格納容器外の低線量下で電源を入れ直して復旧するかを確認する。問題が解消されなかった場合は、カメラを交換するとしている。
 東電はこの日、作業中断前の14日に撮影された格納容器底部の画像を公開。小石のようなデブリが堆積している様子が確認された。2号機内のデブリ撮影は2019年以来という。 
〔写真説明〕福島第1原発2号機のペデスタル底部にたまるデブリを含む堆積物=14日(東京電力提供)

(ニュース提供元:時事通信社)