記録的な大雨となった石川県・能登半島北部では23日、消防や警察、自衛隊が朝から約400人態勢で河川の氾濫による安否不明者の捜索を続けた。県警などによると、輪島市町野町で救助された男性1人が亡くなったことが新たに判明。大雨による県内の死者は輪島市6人、珠洲市1人の計7人に上り、ほかに行方不明者が2人となっている。
 県によると、輪島市を流れる塚田川の氾濫で、女子中学生(14)を含む複数の住民と連絡が取れなくなっており、消防などは同日、一帯を集中的に捜索。ただ発見には至らず、この日の捜索は終了した。警察関係者は取材に「予想よりも土砂の流れが広範囲に及んでいる」と語った。
 23日午後3時時点で、孤立集落は56カ所に上り、土砂崩れによる通行止めなどで復旧は難航している。輪島市の坂口茂市長は県の対策本部会議で、孤立状態となっている同市七浦地区など約400人の住民の集団避難を県に要請した。
 能登半島北部に大雨特別警報が出された21日以降、同半島で氾濫した河川は23に上り、元日の地震後に建設された複数の仮設住宅で床上浸水の被害が出た。
 避難者は23日午後3時時点で、輪島市などを中心に計632人に上り、停電は約3700戸、断水は約5000戸に及ぶ。 
〔写真説明〕安否不明者の捜索活動を行う消防隊員ら(奥)=23日午前、石川県輪島市
〔写真説明〕安否不明者の捜索活動のため、塚田川(左)の氾濫により流された住宅周辺に入る警察官=23日午前、石川県輪島市
〔写真説明〕大雨による浸水被害を受けた仮設住宅で、片付けをする人=23日午後、石川県輪島市

(ニュース提供元:時事通信社)