「 気候変動に具体的な対策を」はSDGsの目標の一つ(イメージ:写真AC)

■SDGsの認知度

今回は、「SDGs」の取り組みの現状を気候変動の観点を踏まえて考えてみたい。SDGsとは「持続可能な開発目標」のことで、貧困や不平等・格差、気候変動の影響など、世界のさまざまな問題を根本的に解決し、すべての人たちにとってより良い世界をつくるために設定された、世界共通の17の目標だ。

このSDGs、電通の「第6回 SDGsに関する生活者調査」によると、日本での認知度は90%を超えており、海外からも注目されているそうだ。内閣府や各省庁がSDGsを推進しているほか、テレビ番組のSDGsコーナーやSDGsをアピールする企業広報も増えていることが理由なのだろう。また、SDGsが学習指導要領に加えられて小中学校で必須科目となったことの影響も大きいかもしれない。

しかし、手放しで喜ぶわけにはいかない。日本ではSDGsの認知度は高いかもしれないが、実際のアクションにつながっていない点が問題視されているからだ。とくに気候変動問題に対しては危機感が乏しく、どこか他人事のように捉えている点があることは「第10話:世代間における気候危機意識の違い」でも述べたとおりだ。

組織レベルで実際のアクションにどれだけつながっているのか(イメージ:写真AC)

SDGsの目標のなかでも、主に組織レベルで取り組まないと達成できないものとして「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「産業と技術革新の基盤をつくろう」「住み続けられるまちづくりを」「つくる責任 つかう責任」「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさも守ろう」「パートナーシップで目標を達成しよう」などがある。次は企業によるSDGsの活動状況を見てみよう。