非常時に国が自治体に必要な指示ができる仕組みの創設を柱とした地方自治法改正案が30日の衆院本会議で、自民、公明両党や日本維新の会などの賛成多数で可決された。災害や感染症などに備えた個別の法律では想定していない事態が起きた場合に、国民の安全確保に向けて迅速に対応できるようにする狙い。
 政府は、新型コロナウイルスの流行時に、患者の入院調整や情報共有を巡り国や自治体の間で混乱が生じたことなどを踏まえ、改正案を提出。国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生したものの、個別法に規定がない場合などに、国が「指示権」を行使できるルールを設ける。国と地方は対等とする分権の考えに基づき、指示は特例と位置付ける。
 指示する際は閣議決定による手続きを求めるとともに、事前に自治体から意見を聞き取るように国が努める規定も盛り込んだ。内容は「必要な限度」にとどめる。 

(ニュース提供元:時事通信社)