2024/04/10
防災・危機管理ニュース
【ワシントン時事】岸田文雄首相は10日午前(日本時間11日未明)、米ホワイトハウスでバイデン大統領と会談する。自衛隊と在日米軍それぞれの指揮統制の在り方を見直し、部隊運用上の連携を強化していくことで一致。防衛装備品の共同開発・生産に関する協議体創設で合意する。中国の覇権主義的な動きなどに対応するのが目的で、日米の防衛分野の一体化が一段と進むことになる。
首相はまず、ホワイトハウス南庭で歓迎式典に臨む。オーバルオフィス(大統領執務室)で会談し、その後、敷地内のローズガーデンで共同記者会見を行う。会談の成果を盛り込んだ共同声明も発表する。10日夜には大統領夫妻主催の公式夕食会に裕子夫人とともに出席する。
東京都の横田基地にある在日米軍司令部の権限は現在、基地の管理などに限られ、作戦の立案や部隊の指揮は米ハワイのインド太平洋軍司令部が担っている。このため、事態の切迫度によって日米の連携に支障を来す可能性があると判断。2024年度末に陸海空3自衛隊を束ねる「統合作戦司令部」が発足するのに合わせ、在日米軍司令部の機能を強化する方針だ。
装備品の共同生産を進めるのは、米国の対ウクライナ軍事支援の長期化に伴い兵器の調達が課題となっていることが背景にある。両首脳は、神奈川県の横須賀基地を拠点とする米第7艦隊所属艦艇などの修理や整備を日本で行うことも申し合わせる見通しだ。
自然災害が発生した際、迅速に支援を行えるよう共同で物資集積拠点を設けることも確認。先端軍事技術の開発で米英豪の枠組み「AUKUS(オーカス)」と日本が協力する方向性を打ち出す。
また、人工知能(AI)に関して日米大学間の研究プロジェクトに計1億1000万ドル(約167億円)の資金を拠出することで一致。半導体の研究開発や宇宙開発での協力を申し合わせる。
両首脳は総論として「自由で開かれた国際秩序の維持・強化」を確認。日米両国を「グローバル・パートナー」と位置付け、安全保障や経済など幅広い分野で歩調を合わせる方針を内外に示す。
〔写真説明〕米ワシントン近郊のアンドルーズ空軍基地に到着した岸田文雄首相(中央左)と裕子夫人=8日、メリーランド州(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)
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