再開した和倉温泉の「総湯」 
「総湯」を再開させた小泉孝史社長

能登半島地震で休業していた和倉温泉の共同浴場「総湯」が3月26日に再開した。223人が利用したという。当面は時間を短縮して営業する。

運営する和倉温泉合資会社の小泉孝史社長は「事故もなく終われて、ほっとした」と胸をなで下ろす。心配していたのは入浴者が多かったときの温度調整。「今日は少なく、皆さんはゆったりと入れたのでは」と話す。

再開への動き出しは速かった。地震で温泉の配管が破断したが、温泉の流れから復旧できると判断。2日には破損した部品を発注した。ただし、道路の寸断で七尾まで届かず、金沢市で止め置いていたという。

配管の修理が終わり、温泉を引き込めたのが2月14日。しかし、上水道が断水したままで、足踏み状態が続いた。3月16日に上水道が復旧すると、施設内の配管に漏れがないかなどの確認。本日の再開にこぎつけた。

地震のあった元日には670人が利用していた。16時までの営業だったため、地震時に利用者はいなかった。2007年の能登半島地震では避難誘導をしたという。

心配しているのが風評。被害のイメージが定着して、和倉温泉離れが起こりかねないと危惧する。
「和倉温泉は温泉の成分が濃い高張性の温泉。それでいて透明なのは珍しい。ぜひ、入浴しに来て欲しい」