リスク対策.com、レスキューナウ危機管理研究所が緊急アンケート

リスク対策.comとレスキューナウ危機管理研究所はこのほど、10月16日明け方に伊豆諸島北部を通過し伊豆大島を中心に大きな被害をもたらした台風26号について、企業など組織の従業員に対する対応をアンケート調査した。それによると、70%もの企業が15日の早期退社や、16日の出社抑制など事前対策を実施し、そのほとんどが15日の午後に従業員に通知をしていたことがわかった。また、従業員1000人以上の大きな会社ほど、災害対応を行う専門部署や担当者を設置しており、専門部署を設置している会社ほど台風などの災害対応のための計画が整備されている傾向が顕著に現れた。アンケートは10月21日~10月31日までの10日間、リスク対策.comの読者に対して実施。383人から回答を得た。

アンケート結果によると、台風26号の接近に際し、15日(火)の早期退社や16日(水)の出社抑制などの事前対応を実施した組織は270社で全回答者の70%を占めた。また事前対応を通知した時刻は15日の午後が198社(70%)と最も多く、次いで15日の午前が66社(23%)、16日の早朝が9社(3%)となった。

※ その他回答は、複数回通知、社員の帰宅時にそれぞれ通知など

通知の手段はメールが184社(52%)で、次いでその他115社(32%)、電話38社(11%)など。安否確認システムを活用した企業は14社(4%)にとどまった。その他については、イントラネットなどの社内掲示板、口頭での通知、館内放送、グループウェアなど。

また、通知を行う際に参考とした情報の入手先としては、テレビやラジオ、インターネットでの気象情報が多かった一方、交通機関の情報などを複合的に判断したとの回答も目立った。

■災害対応を行う専門部署がある組織ほどマニュアルが整備されている

アンケートではまた、どの程度の組織が災害対応を行う専門部署や担当者を配置しているかについても質問。その結果、専門部署や担当者を配置していると回答した組織は230社(60%)で、特に1000人以上の大企業ほど高い割合で配置していることが明らかになった。

また、台風などの災害対応のための計画(規定、マニュアル、ガイド等)を整備している組織は261社(68%)で、専門部署や担当者を決めている組織ほど、こうした計画を策定している傾向が顕著に現れた。

レスキューナウ危機管理研究所代表取締役の市川啓一氏は、「今回のアンケート対象者はリスク対策.comの読者であることから、そもそも危機管理に対して意識の高い人が対象となっているため、企業全般の平均よりは対応を行っている率が高くなっているとは思われるが、それを割り引いても、年々、災害に対して事前に対応しようとする姿勢が強まっていることをあらためて読み取れる。災害に備えてあらかじめ休業にする、自宅待機にすることを受け入れる風土が広がりつつある。社会全体で事前対策を実施することにより、そもそも被災しない、混乱を避けようとする減災への取り組みが進んでいるといえる」と話している。

※回答者内訳