ISO22301など3本がJIS化

経済産業省は10月21日、事業継続計画(BCP)を運用するマネジメント体制における要求事項を定めた国際規格ISO22301(事業継続マネジメントシステム)、危機対応時のマネジメントの要求事項を定めたISO22320、社会セキュリティの用語の国際規格であるISO22300の3規格について、日本工業標準調査会の調査審議を経たことから、日本工業規格として制定した。
 
 社会セキュリティ-事業継続マネジメントシステム-要求事項 JISQ22301
 社会セキュリティ-緊急事態管理-危機対応に関する要求事項 JISQ22320
 社会セキュリティ-用語 JISQ22300

ISO22301は、企業など組織の事業継続に関わる事象(インシデント)に対して、あらかじめ有効な対策を講じ、事業継続能力を効果的かつ効率的に維持・改善していくためのマネジメントシステムの規格として2012月5月に発行された。国内でもすでに30社ほどが第三者認証により同規格の認証取得をしている。

ISO22320は、2011年11月に発行された規格で、要求事項を定めてはいるが第三者認証は今のところ行われてはいない。ただし、昨年7月31日にとりまとめられた中央防災会議の防災対策推進会議の最終報告には、「国と地方公共団体、地方公共団体相互間の広域応援を総合的かつより円滑に実施するため、可能な範囲で災害対応業務のプログラム化、標準化を行うべきである」との一文が加えられ、今年6月に閣議決定された経済財政運営の基本方針にも「災害対策の標準化」に向けた検討を進めるという内容が盛り込まれた。こうした動きを受け、内閣府では、災害対策の標準化とそのあり方を検討する「災害対策標準化検討会議」を、2013年10月1日から開催している。

ISO22300の用語については、社会セキュリティの用語の定義を示したもので、要求規格ではない。

経済産業省ではJISが制定されることによって、我が国の企業など組織が事業継続マネジメントシステムを構築し、有事に備えた適切な対応体制をとることが可能となり、企業など組織の事業活動の早期復旧および再開に資することが期待できるとしている。