2024/01/02
防災・危機管理ニュース
2日午後5時50分ごろ、東京都大田区の羽田空港のC滑走路で、新千歳(北海道)発羽田行きの日本航空516便が着陸時に海上保安庁の航空機と衝突、炎上した。日航機の乗員乗客計379人は全員機体から脱出。海保機に乗っていた6人のうち、機長を除く隊員5人の死亡が確認された。
国土交通省は航空事故と認定し、運輸安全委員会などと詳しい原因を調べる。警視庁は3日、捜査本部を設置し、業務上過失致死傷容疑を視野に捜査を始めた。
国交省や警視庁などによると、日航機はエアバスA350型機で、2日午後4時20分ごろに出発し、同5時40分ごろに到着予定だった。幼児8人を含む乗客367人、乗員12人が搭乗し、いずれもシューターで脱出したが、10歳未満の男児ら14人がけがをした。
海保機は第3管区海上保安本部羽田航空基地所属のボンバルディアDHC―8型機(通称MA722機)。1日に石川県能登地方で発生した地震の対応で物資を搬送するため、予定では2日午後4時45分に出発し、同5時55分に新潟空港に到着する計画だった。
海保によると、2日午後5時55分ごろ、海保機の宮本元気機長(39)から羽田航空基地に「滑走路上で機体が爆発した」と通報があった。死亡したのは、田原信幸副機長(41)、石田貴紀通信士(27)、帯刀航探索レーダー士(39)、宇野誠人整備士(47)、加藤重亮整備員(56)の計5人。東京消防庁によると、宮本機長は重体という。
日航機はC滑走路上で海保機と衝突したとみられ、炎上したまま滑走路北側まで約1キロ進んで止まり、海保機も炎上した。東京消防庁の消防車約115台が出動し、海保の航空機は数時間後に鎮火したが、日航機の消火活動は深夜まで続いた。
国交省と海保は2日夜、記者会見。海保の瀬口良夫次長は「掛け替えのない職員の命を失ってしまったことは痛恨の極みだ」と陳謝した。
羽田空港は滑走路を4本とも一時閉鎖したが、2日午後9時半ごろにC滑走路以外の利用を再開した。
〔写真説明〕滑走路上で炎上する日本航空機=2日午後7時、東京・羽田空港
〔写真説明〕炎上する日本航空機を展望デッキから見詰める人たち=2日午後6時54分、東京・羽田空港
〔写真説明〕海上保安庁の航空機「MA722」(海上保安庁第3管区海上保安本部のHPより)
(ニュース提供元:時事通信社)
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