1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする地震があり、同県志賀町で震度7の揺れを観測した。気象庁によると、震源の深さは16キロ。地震の規模(マグニチュード)は7.6と推定される。
 気象庁は同県能登地方に大津波警報を発令、午後8時半に津波警報に切り替えた。山形、新潟、富山、石川、福井、兵庫各県に津波警報、北海道から長崎県までの日本海側などに津波注意報を出していたが、2日午前1時15分にすべて注意報に切り替えた。
 1日午後8時までに石川県輪島市で1.2メートル以上、金沢市で90センチ、山形県酒田市と富山市で80センチ、北海道せたな町で60センチ、新潟県柏崎市などで40センチの津波を観測した。
 建物倒壊や火災が相次いでおり、政府は特定災害対策本部を非常災害対策本部に格上げし、被害情報の収集を急ぐ。林芳正官房長官は1日夜の記者会見で、「石川県で建物倒壊等による生き埋めが6件発生している」と述べた。警察庁によると、七尾市と輪島市、志賀町で計4人が心肺停止になっているとの情報があり、確認を進めている。
 馳浩知事は陸上自衛隊に災害派遣を要請した。陸自の即応部隊が珠洲市や輪島市で救助活動を始めており、その他の部隊も準備が整い次第出動する。航空自衛隊の輪島分屯基地には住民約1000人が避難しているという。
 気象庁は「令和6年能登半島地震」と命名。石川県で震度7を観測するのは初めてで、大津波警報は2011年の東日本大震災以来の発令となった。
 原子力規制委員会によると、停止中の北陸電力志賀原発(志賀町)では、外部電源の供給は続いており、使用済み燃料プールの冷却も続けられている。2号機の変圧器で爆破音と焦げたにおいがしたものの、発電所職員が火が出ていないことを確認したという。
 また、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)、日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)、関西電力の美浜(同県美浜町)、大飯(同県おおい町)、高浜(同県高浜町)の各原発にも異常は確認されていない。
 能登地方や能登半島沖では午後9時半までに震度7の地震のほか、震度5強の地震が3回、5弱が5回発生。周辺を含め、地震が活発に続いている。
 

 ◇主な各地の震度
 1日午後に発生した石川県能登地方を震源とする地震の主な各地の震度は次の通り。
 震度7 =石川県志賀町
 震度6強=石川県七尾市、輪島市、珠洲市、穴水町
 震度6弱=石川県中能登町、能登町、新潟県長岡市
 震度5強=金沢市、新潟市、富山市、福井県あわら市
 震度5弱=福井市、長野市、岐阜県高山市。 
〔写真説明〕緊急地震速報が出て、JR金沢駅前の駐車場に避難した人たち=1日午後、金沢市
〔写真説明〕北陸電力志賀原発などの状況について記者会見で説明する原子力規制庁の担当者=1日午後、東京都港区

(ニュース提供元:時事通信社)