2023/12/07
防災・危機管理ニュース
【エルサレム時事】イスラエル軍はイスラム組織ハマスとの衝突開始から2カ月を迎えた7日、パレスチナ自治区ガザ南部の最大都市ハンユニスでの作戦でハマス戦闘員を殺害し、目標数十カ所に空爆を加えたと発表した。軍は6日、ハマスに対する「標的を絞った急襲作戦」に乗り出したと説明していた。ガザ北部でも戦闘が続き、イスラエルのメディアはハマス戦闘員数十人が投降したと報道。SNS上にはイスラエル軍の車両に乗せられた戦闘員とみられる動画が出回った。
軍によると、ハンユニスで地下トンネルから出てきたハマス戦闘員と交戦した。軍は6日、「ハマスの防衛線を突破した」と説明。AFP通信は目撃者の話として、イスラエル兵や戦車、ブルドーザーなどがハンユニスに次々と入っていると報じた。
一方、ハマス軍事部門は、イスラエル軍との間で激戦が展開されているとSNSに投稿した。ハンユニス住民はロイター通信に、イスラエル軍による夜間の激しい空爆で民間人が死傷し、市の東部や北部で軍の戦車が武装集団と交戦していると語った。
戦火を避けようと、大勢の市民がガザ南部の対エジプト国境近くに移動している。しかし、南部ラファでは6日、家屋がイスラエルの砲撃を受け9人が死亡。イスラエルが「安全」と主張する地域でも、避難民の多くは不安を募らせている。ラファからロイターの電話取材に応じた45歳の男性は「イスラエルはうそつきだ。ガザに安全な場所などなく、彼らはあすにもラファのわれわれに迫ってくる」と語った。
イスラエル軍はハマスが6日にガザの「人道エリア」からロケット弾を発射したと指摘し、「民間人をテロ活動に利用している」と非難。空爆の正当性を主張した。
戦闘休止が1日に崩壊後、ラファの検問所経由で搬入される支援物資の配給に支障が出ている。国連は6日、テントが足りないため、住居を追われた多くの人が路上での寝泊まりを余儀なくされていると発表した。
グテレス国連事務総長は6日、国連安保理への書簡で「イスラエル軍による爆撃が続く中、公共の秩序が完全に崩壊する事態も予測される」とし、危機終結に向けた行動を国際社会に要請。ロイターによると、アラブ首長国連邦(UAE)は同日、「人道目的の即時停戦」を求める安保理決議案を提示。8日の採決を調整しているという。
〔写真説明〕6日、パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスで、イスラエル軍の攻撃を受けた建物を確認する住民(ロイター時事)
〔写真説明〕6日、パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスからラファに避難し、路上で寝泊まりする家族(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方