北海道厚岸町と京セラコミュニケーションシステム

北海道厚岸郡厚岸町はこのほど、BCP(事業継続計画)強化のため、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)が提供するケーブルテレビ応急復旧・強靭化無線システム「ワイヤレスリンク23G」を導入した。

厚岸町は、2011年に情報通信格差の是正と地上デジタルテレビ放送の難視聴解消などを目的に、町内全域に光ファイバを敷設した。厚岸町は町が厚岸湖をはさみ南北に分断されており、光ファイバは南部と北部を結ぶ厚岸大橋を通じて敷設し、高速インターネット通信やケーブルテレビ放送を提供すると同時に、行政・防災無線を伝達するIP告知システムを整備していた。

しかし、東日本大震災時に津波で橋の両端が冠水。災害によって光ファイバ通信網が分断される可能性があることを改めて認識した同町は、光ファイバの多重化対策として無線ネットワークの導入を検討していたという。

「ワイヤレスリンク23G」は、KCCSが総務省の委託を受けて研究開発した、23GHz帯の周波数を利用した小型・軽量のケーブルテレビ応急復旧・強靭化無線システム。離島への海底ケーブルや山間部など、被災時の復旧に時間がかかることが想定されるケーブル通信を多重化することで、災害により通信が途絶するリスクを軽減する。

システムの導入により、厚岸町は災害などで光ファイバが切断された場合でも、テレビ放送を通じて町民への情報提供が可能になったという。