2018/05/08
防災・危機管理ニュース
東京都の監理団体である東京都歴史文化財団が管理する東京文化会館(台東区)と東京都交響楽団(都響)は7日、同会館で避難体験コンサートを実施した。観客が避難訓練に参加するもので、同会館でも都響でも初めての取り組み。2020年東京オリンピック・パラリンピックを見すえ、集客イベントでの安全性向上のため実施したという。
この日は620人の観客が参加。発災のタイミングは知らせないで進行した。都響のクラシック演奏中に地鳴りの音響が鳴らされた。その後に東京湾北部を震源地とした震度5強の地震の発生や、建物の耐震性に問題がないこと、後続の地震に備え頭を守る必要性などをアナウンスした。さらに地下1階のレストラン厨房から出火したという想定で、英語も交えたプラカードを持った係員の誘導でロビーに避難した。東京文化会館では年2回程度避難訓練を実施するが、スタッフのみで行っており、観客を避難させるのは今回が初めてという。
今回の訓練には東京消防庁・上野消防署が協力。同署の大谷正明・予防課長は東京文化会館の観客を落ち着かせるアナウンスやスムーズな誘導を評価。「本番さながらの沈着冷静な避難ができた」と述べた。また、「首都直下地震はいつ起こるかわからない。備蓄や家具の固定について各家庭で話し合ってほしい」と呼びかけた。この日は会館の隣に東京消防庁のVR防災体験車や煙体験ハウス、模擬消火器による消火訓練コーナーが設置され、防災への備えの重要性がPRされた。
■関連記事「東京消防庁、国内初VR防災体験車」
http://www.risktaisaku.com/articles/-/5871
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方