第157回:サプライヤーを狙って侵入するサイバー攻撃の最新動向
ENISA / Threat Landscape for Supply Chain Attacks
合同会社 Office SRC/
代表
田代 邦幸
田代 邦幸
自動車メーカー、半導体製造装置メーカー勤務を経て、2005年より複数のコンサルティングファームにて、事業継続マネジメント(BCM)や災害対策などに関するコンサルティングに従事した後、独立して2020年に合同会社Office SRCを設立。引き続き同分野のコンサルティングに従事する傍ら、The Business Continuity Institute(BCI)日本支部事務局としての活動などを通して、BCMの普及啓発にも積極的に取り組んでいる。一般社団法人レジリエンス協会 組織レジリエンス研究会座長。BCI Approved Instructor。JQA 認定 ISO/IEC27001 審査員。著書『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)
田代 邦幸 の記事をもっとみる >
X閉じる
この機能はリスク対策.PRO限定です。
- クリップ記事やフォロー連載は、マイページでチェック!
- あなただけのマイページが作れます。
本連載の第152回と第111回で、欧州サイバーセキュリティー機関(ENISA)(注1)が毎年発表している、通信障害に関する報告書を紹介させていただいたが(注2)、そのENISAが「サプライチェーン攻撃」(Supply Chain Attacks)に関する調査報告書を2021年7月に発表した。これは前述の報告書とは違って単発のものであり、ENISAに設置された特別なワーキンググループによってまとめられたものである(注3)。
タイトルにある「サプライチェーン攻撃」とは、サイバー攻撃の中でも特に、サプライヤーと顧客との取引関係を利用したものをいう。すなわち、侵入したい標的の組織におけるセキュリティー対策がしっかりしていて侵入が難しい場合に、まず対策が比較的甘いサプライヤーに侵入し、サプライヤー経由で標的の組織に侵入するというもので、少なくとも2つの攻撃の組み合わせとなる。
このような攻撃手法は数年前から懸念されていたが、特に2020年から急増しているとのことである。本報告書によると、2021年に発生するサプライチェーン攻撃の件数は、2020年の4倍以上になる可能性があるという。
このような状況を踏まえ、本報告書では2020年1月から2021年7月上旬までに発生したサプライチェーン攻撃を対象として、調査分析された結果がまとめられている。本報告書は下記URLから無償でダウンロードできる。
https://www.enisa.europa.eu/publications/threat-landscape-for-supply-chain-attacks
(PDF 57ページ/約4.8MB)
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方