2015年12月から従業員50人以上の事務所に義務化された「ストレスチェック制度」。画像は部署ごとの集団分析結果例(出典:厚生労働省資料)

労働安全衛生法の改正により従業員50人以上の事務所に実施が義務化されている「ストレスチェック制度」について厚生労働省は3月30日、事業者がPC環境を使って診断を運用しやすくできる実施プログラムの改訂版を公表した。プログラムは公式サイトから無償でダウンロード可能。小さな不具合を修正しより安定して使える。

「ストレスチェック」とは、労働者が仕事によって受ける心理的ストレスの状態を調べる検査。労働安全衛生法の改正により、2015年12月から、労働者が50人以上いる事業者では毎年1回この検査を全労働者に実施し、実施状況を所轄の労働基準監督署に提出する義務がある。

厚労省は、事業者がより検診がしやすいよう、PC環境で利用できる無償の集計プログラムを公開している。プログラムでは、労働者が画面で57項目のストレスチェックを受けることができるほか、各労働者の回答状況を管理する機能、直接面談が必要な「高ストレス者」を抽出する機能、部署ごとにストレスの集団分析をおこなう機能、労働基準監督署へ報告する情報を表示する機能―などを持つ。

診断結果は労働者個人に通知され、一定以上の高いストレスを感じている労働者には医師による面談指導を実施する。また10人以上の部署ごとに労働者のストレス度を分析し、職場環境改善にも役立てることができる。

Windows10で稼働。今回の2018年3月版ではより小さな不具合を修正し、より安定して使えるようになった。

■実施プログラムのダウンロードサイトはこちら
https://stresscheck.mhlw.go.jp

■「ストレスチェック制度」の導入マニュアルはこちら
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/160331-1.pdf

(了)

リスク対策.com:峰田 慎二