小此木担当相(左)は防災全般についてトルコと協力することをアクダー副首相(右)と確認した

小此木八郎・防災担当大臣は3日、トルコのレジェップ・アクダー副首相、メフメット・ギュルオール災害緊急事態局総裁と会談した。また同日閣議後の記者会見で、3月末に東京都が相次いで発表した、高潮被害想定や旧耐震基準建築物の耐震診断結果についての質問に回答。高潮・洪水の際の広域避難で都と協力する方針を示した。

小此木担当相とトルコ側との会談では、災害全般について話し合われた。トルコも日本と同じく地震の多い国で、発災時の救助対応に定評がある。2011年の東日本大震災では約10日後には32名のトルコの救援チームが被災地に派遣されている。両国で災害全般について協力し合うことを確認した。

閣議後の記者会見で小此木担当相は都が3月30日に発表した大型台風が通過した際、最悪東京23区の3分の1が浸水するとした高潮被害想定について、「3月5日に中央防災会議のワーキンググループ(WG)から広域避難の基本的考えが出された。広域避難の実装に向け、都と共に関係機関からなる検討の場の設置へ調整を行っている。引き続き政府一体で取り組みを推進する」と説明した。

内閣府を中心とした中央防災会議のWGは、主に三大都市圏を想定した複数の自治体にまたがるような高潮・洪水時の広域避難計画の策定手順をまとめた。モデルケースとして墨田区、江東区、足立区、葛飾区、江戸川区の江東5区の大規模洪水の場合、178万人の避難が必要としている。

同29日に都が行った耐震性のない建物の実名も含めた耐震診断結果公表については「不安につながるし、国としても注視していかないといけない。東京に限らず各地域で(耐震性のない建物を)解消するための確認は必要だ」と述べた。

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(了)

リスク対策.com:斯波 祐介