リコージャパンとスカパーJSATが共同提案するビジュアル情報衛星通信システムの活用例。災害対策本部と遠隔の災害地域をウェブ会議システムで結び、電子ホワイトボードに集約した災害情報を多拠点に瞬時に伝達・共有できる(スカパーJSAT横浜衛星管制センターにて)

リコージャパンとスカパーJSATは2日、 災害時に対策本部と災害地域などの遠隔地を衛星通信で接続し、映像や音声などを通じて迅速に情報伝達・共有を行うことを支援するビジュアル情報衛星通信システムの提供で、5日から共同提案していくと発表した。災害医療分野の現場や、災害時の防災拠点、防災意識の高い地方自治体やインフラ企業に向けて共同提案していく。

スカパーが提供するのは 衛星通信サービス 「ExBird(エックスバード)」。災害時に地上のインターネット回線や電話回線が断絶した場合でも、同社が所有管理する人工衛星を介して音声通話やインターネット接続を利用できる。リコーが提供するウェブ会議システム「リコー UCS」や電子ホワイトボード「リコー IWB」と組み合わせることで、電話や防災無線では伝えられない地図・写真・映像・手書き図などビジュアル情報を伝達・共有できる。

災害時の通信手段としては、衛星電話やMCA無線が普及している。だが災害対策本部で被災した遠隔地の災害情報を集約することが求められる現場では、道路の普通や浸水地域などの災害情報を通話音声のみで伝達するのが難しいという課題があった。

リコーとスカパーは、2011年の東日本大震災以前から「事業継続コンソーシアム」に参加し、非常時の通信インフラの確立に取り組んできた。また2015年から 災害派遣医療チーム DMATの要請に応じて、各地域の災害訓練でも両社のシステムが活用され、有効性が評価されているという。

2社は今後、災害医療分野の現場や、災害時の防災拠点、防災意識の高い自治体、エネルギー・土木・商業ビル管理なインフラを担う企業などを対象に3年間で1000件の導入を目指す。

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(了)

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リスク対策.com:峰田 慎二