手順その1、「塩漬け」  

桜と同時に準備しておくのは、豚バラ肉です。薫製が保存食となるのは、いぶされるからというだけではなく、下ごしらえにも理由があります。それが塩漬けです。

味噌作りでも使っている、お気に入りの天然塩と胡椒をまんべんなくすり込みます(画像提供:あんどうりす)


市販のものは、自家薫製に近いものでも砂糖が入っていることが多いのですが、うちは砂糖ぬきの塩だけのワイルドな味が好みなので、塩と香辛料だけで漬け込みます。香辛料も最近は黒胡椒のみにしています。塩とスパイスはあらかじめ混ぜておいた方がむらになりません。塩は、肉の2%くらいですが、感覚として、肉全体がざらっと塩に覆われるくらいまぶせば大丈夫です。

ジップロックにいれて冷蔵庫で2週間(画像提供:あんどうりす)

塩漬けは、浸透圧を利用して、水分を外に出すので保存食になります。じっくり水抜きをしたいので、うちでは2週間塩漬けにして冷蔵庫で保管します。1週間の場合でも味に変わりはありませんでした。このままでも非常食にはなりますね(でも相当塩辛いです)!

手順その2、「塩抜き」

このままでは塩辛いので、塩抜きをします。流水でするというレシピもあるようですが、菌の繁殖防止からかもしれません。でも、うちでは、ジップロックの中に水をいれて、2時間から4時間浸しています。長いほうが塩味が薄味に、短いほうが濃い味になります。

手順その3、「風乾」

ここが薫製作りの2番目のクライマックスかなって思います。だって「風乾」って言葉がかっこよくないですか?言葉どおりなのですが、「風で乾かす」のです。風ですよ。風。冷蔵庫とか扇風機ではなく。アウトドアの達人のみが知っている言葉みたいでいい感じです。「今日は薫製の風乾があるから、早く帰るわ」なんて職場で使ってみてほしいです。

コールマン社のお店で見つけた干し物ネット。おしゃれ!(画像提供:あんどうりす)

そのまま肉を針金などにひっかけて、ワイルドに家の外に吊るすこともできますが、蝿や鳥が心配なので、夜に乾かしたり、干物用ネットにいれて干します。猫ちゃんも狙いにくるので、ジャンプして届かない位置に置くのがよいです。

 

この、見えないけど確実に来る侵入者を想定して動くなんてこと、都会の生活ではあんまりないことなのかな〜と思って、風乾はやっぱりクライマックスその2だと思うのです。

うちは一晩吊るしていますが、2〜3時間でも仕上がりに差はありませんでした。