消毒用エタノールの危険性(1)

消毒用エタノールは揮発性の液体です。決して安全性の高い消毒薬とは言い切れません。「消毒用アルコールの安全な取扱い等について」と題する消毒用エタノールの危険性について注意を喚起する文書を、大阪市が市民向けと事業者向けに2020年6月20日付で出しています。

市民の皆様
今般の新型コロナウイルス感染症の予防対策で、消毒用アルコールを使用する機会が増えています。消毒用アルコールは火気により引火しやすく、また、発生する蒸気は可燃性で空気より重く低所に滞留しやすいため、取り扱う場合には次の項目に注意してください。

1.消毒用アルコールの使用に際して、火気の近くでは使用しないこと
2.室内の消毒や消毒用アルコールの容器詰替え等に伴い、可燃性蒸気が滞留するおそれのある場合には、通風性の良い場所や換気が行われている場所で行うこと。また、みだりに可燃性蒸気を発生させないため、密閉した室内で多量の消毒用アルコールの噴霧は避けること
3.消毒用アルコールの容器を設置・保管する場所は、直射日光が当たる場所や高温となる場所を避けること。また、消毒用アルコールの容器を落下させたり、衝撃を与えたりする等しないこと
4.消毒用アルコールを容器に詰め替える場合は、漏れ、あふれ又は飛散しないよう注意するとともに、詰め替えた容器に消毒用アルコールである旨や「火気厳禁」等の注意事項を記載すること

事業所の皆様
消毒用アルコールは消防法に定める危険物第4類アルコール類に該当し、消防法により貯蔵、取扱いの基準等が適用される

大阪市は、消毒用エタノールは引火性が強く「火」の近くで使用あるいは保管することは危険であることを念頭に置き消毒用エタノールを使用、保管することが大変重要であることを指摘しています(図)。

さらに、常に守らねばならない事項として、消毒用エタノールを容れる容器の口は、厳密に密封して外気から完全に遮断しておかねばならないことがあります。エタノールが外部に漏れ出せば危険ですし、アルコール濃度が下がってしまい消毒効果が消失してしまいます。