コロナで不安な状況でも、明るい情報発信に躊躇なく取り組むことが必要(写真:写真AC)

危機時には明るい情報を発信してはいけないのでしょうか。そんなことはありません。生き残るために、声を上げる発想も必要です。今回は、広げたい情報についてどう発信したらよいかを解説します。

広報と広告は異なることに注意

危機時には、ダメージコントールとして、悪い情報を最低限にするマネジメントにより企業を守ります。次の段階はリカバリーコミュニケーションとして、できるだけ平時の情報に戻していく段階となります。企業イメージは受け身になるとコントロール不能となるからです。

現在、世界中が新型コロナウイルスで不安な状態にはありますが、明るい情報発信に躊躇せず取り組むことが、生き残りをかけたマネジメントになると感じます。

「いい情報はなかなか取り上げてもらえないんですよ」といった愚痴をよく聞きますが、文面を見ると大抵は宣伝色、広告色が強く「これでは無理だな」と思うものも多くあります。広告と広報は異なります。広報には社会的課題解決の切り口が求められるのです。

「キャンペーンをやります」では、ニュースになりません。単なる広告です。そのため、ここに社会的要素を盛り込みます。例えば「内定を取り消された方を応援する〇〇をします」といった具合。「内定を取り消されて困っている人がいる」ことが、ここでの社会的課題です。

テクニカルな整理としては、社会性のほか新奇性、突発性、人間性、記録性、著名性、地域性、国際性、普遍性、影響性、といった10の切り口があります。これはニュースの切り口にもなります。

話題の切り口は数多くある(写真:写真AC)

社会性とは、前述したように社会問題解決型サービス、新奇性は、他社がやっていないような珍しい取り組みであること、突発性は、突然現れた動物に〇〇をしてあげたなど、人間性は社員の努力などの物語、記録は受賞など、著名性は著名人に絡めた企画などです。

著名人頼みは、皆がすぐに頼りたくなりますが、著名性以外にも話題の切り口はあるのです。まずは10個の切り口で自社の生き残りをかけた明るい情報の発信を探してみませんか。