2017/07/27
防災・危機管理ニュース

東京都は26日、「東京港におけるヒアリ等対策連絡会」の第1回会合を開催。都のほか港区、江東区、品川区、大田区の湾岸各区、国から環境省や国土交通省の関係者も出席した。今後ヒアリについて専門家による研修や東京港でトラップなどによる監視強化のほか、舗装の亀裂の隙間を埋めるなどで定着を防ぐ方針。
ヒアリは南米原産のアリで、体長は2~6mm、色は主に赤茶色。刺されると水泡状にはれるほか、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性もある。東京港では3日に品川区・大井ふ頭のコンテナ内部で発見された。14日にはヒアリ同様に毒をもつアカカミアリが江東区・青海ふ頭のコンテナヤードの舗装面の亀裂で発見された。
都ではヒアリの駆除のほか東京港内の港湾利用者へ発見時の駆除や通報といった対応を周知。発見場所から2km圏内の公園に注意喚起の看板を設置したり、環境局や港湾局の公式ツイッター・フェイスブックでアナウンスを行ったりしている。トラップは大井・品川・青海ふ頭内に約40個置き、ベイト剤(毒餌)も設置している。万が一刺された場合、20~30分安静にした後、病院の受診が望ましい。
今後はヒアリ確認地点や周辺で目視やトラップ調査を行うほか、国と協力し専門家を呼んでの対応研修、コンテナヤードの舗装の亀裂を埋めるといった対応を行う。ベイト剤については在来アリへの悪影響も懸念されることから、専門家にも相談し慎重に使用すべきとしている。調査に期間を要することから、都では前倒しの可能性はあるとしつつも次回会合は9月を予定している。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
現場対応を起点に従業員の自主性促すBCP
神戸から京都まで、2府1県で主要都市を結ぶ路線バスを運行する阪急バス。阪神・淡路大震災では、兵庫県芦屋市にある芦屋浜営業所で液状化が発生し、建物や車両も被害を受けた。路面状況が悪化している中、迂回しながら神戸市と西宮市を結ぶ路線を6日後の23日から再開。鉄道網が寸断し、地上輸送を担える交通機関はバスだけだった。それから30年を経て、運転手が自立した対応ができるように努めている。
2025/02/20
-
能登半島地震の対応を振り返る~機能したことは何か、課題はどこにあったのか?~
地震で崩落した山の斜面(2024年1月 穴水町)能登半島地震の発生から1年、被災した自治体では、一連の災害対応の検証作業が始まっている。今回、石川県で災害対応の中核を担った飯田重則危機管理監に、改めて発災当初の判断や組織運営の実態を振り返ってもらった。
2025/02/20
-
-
2度の大震災を乗り越えて生まれた防災文化
「ダンロップ」ブランドでタイヤ製造を手がける住友ゴム工業の本社と神戸工場は、兵庫県南部地震で経験のない揺れに襲われた。勤務中だった150人の従業員は全員無事に避難できたが、神戸工場が閉鎖に追い込まれる壊滅的な被害を受けた。30年の節目にあたる今年1月23日、同社は5年ぶりに阪神・淡路大震災の関連社内イベントを開催。次世代に経験と教訓を伝えた。
2025/02/19
-
阪神・淡路大震災30年「いま」に寄り添う <西宮市>
西宮震災記念碑公園では、犠牲者追悼之碑を前に手を合わせる人たちが続いていた。ときおり吹き付ける風と小雨の合間に青空が顔をのぞかせる寒空であっても、名前の刻まれた銘板を訪ねる人は、途切れることはなかった。
2025/02/19
-
阪神・淡路大震災30年語り継ぐ あの日
阪神・淡路大震災で、神戸市に次ぐ甚大な被害が発生した西宮市。1146人が亡くなり、6386人が負傷。6万棟以上の家屋が倒壊した。現在、兵庫県消防設備保守協会で事務局次長を務める長畑武司氏は、西宮市消防局に務め北夙川消防分署で小隊長として消火活動や救助活動に奔走したひとり。当時の経験と自衛消防組織に求めるものを聞いた。
2025/02/19
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/02/18
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方