2020/05/20
福祉と防災
災害現場の「あるある」への対応を「コラム」で
災害現場では、ライフラインが停止したり、資機材や物資が不足したりするのが当たり前である。災害ボランティアは『ものがないからどうにもならない』と諦めはしない。どんな環境にあっても、その場にあるものでなんとか最善を尽くそうとする。そうした「知恵袋」がコラムに紹介されている。
手に付いたウイルスを少しでも減らすために、ペットボトルの飲料水や、ウェットティッシュ等があればそれで拭きましょう。また、おにぎりやパンを食べる時など、中身には直接触れずに、包装袋だけを持ちながら食べるようにしましょう。
夜寝る前にハンドクリームをつけるなど心がけましょう。あまりにひどい状態で、掃除や配膳などの作業をする時は、使い捨て手袋をつけて荒れた手を保護し、その上からこまめにアルコール消毒すると良いでしょう。使い捨て手袋がない場合は、食事の前に手洗いのみ行い、共用の場所を触らないようにしましょう。
マスクを着用すると、人への感染を防ぐと同時に、吸った空気に湿気を与えて喉が潤う効果もあります。それによって、のどや気管などにある繊毛がウイルスなどを外に出す働きを助けることにもつながります。
端末をジップロック袋に入れたり、ビニールなどをかぶせたりして密閉し、使用の度に次亜塩素酸や除菌シートなどで消毒しましょう。使用の前後は必ず手洗い・アルコール消毒をしましょう。
心身の健康の維持
避難所生活が長くなると、高齢者等はおっくうになり、ほとんど体を動かさないために生活不活発病になりやすい。
避難所では、1日中テレビさえ見ずに横になっている高齢者をよく見る。体の不調は心の不調にもつながりやすい。心の不調を経験したことがない人も、動揺し、ますます状況が悪化しやすい。
そこで災害ボランティアは、被災者の体調だけでなく心の不調のサインを見逃さず、柔らかい助言や効果的な支援を心がける。
感染が拡大する状況では、不安やストレス、恐怖や不眠など心や体に様々な変化が起こりやすいと言われています。このような反応は特別なものではなく、誰にでも起こり得る自然の反応です。ほとんどの場合は、状況が改善すると同時におさまります。
「誰にでもあることだよ」「ほとんどの場合、自然におさまるよ」と伝えてもらえれば、被災者はほっとする。そのうえで、どんな症状が心の不調のサインかをイラストにしている。
こころの疲れ「注意サイン」の一例
「気分が落ち込む」「物事に集中できない」「よく眠れない」「早く目が覚める」「イライラする」「すぐに腹が立つ」「何をしても面白くない」「ミスや物忘れが増える」「感情がなくなったような気がする」「問題があるとわかっていても考えたくない」

新型コロナウイルス感染症の対応者特有のストレス反応
「『自分が感染したらどうしよう』という不安」「過度な情報収集」「活動への緊張感」「『家族や同僚に感染させたらどうしよう』という不安」「不全感」「孤立感や見離された感覚」「精神的消耗」「疲れやすさ」「罪悪感」
福祉と防災の他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/03/05
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/03/04
-
-
-
トヨタが変えた避難所の物資物流ラストワンマイルはこうして解消した!
能登半島地震では、発災直後から国のプッシュ型による物資支援が開始された。しかし、物資が届いても、その仕分け作業や避難所への発送作業で混乱が生じ、被災者に物資が届くまで時間を要した自治体もある。いわゆる「ラストワンマイル問題」である。こうした中、最大震度7を記録した志賀町では、トヨタ自動車の支援により、避難所への物資支援体制が一気に改善された。トヨタ自動車から現場に投入された人材はわずか5人。日頃から工場などで行っている生産活動の効率化の仕組みを取り入れたことで、物資で溢れかえっていた配送拠点が一変した。
2025/02/22
-
-
現場対応を起点に従業員の自主性促すBCP
神戸から京都まで、2府1県で主要都市を結ぶ路線バスを運行する阪急バス。阪神・淡路大震災では、兵庫県芦屋市にある芦屋浜営業所で液状化が発生し、建物や車両も被害を受けた。路面状況が悪化している中、迂回しながら神戸市と西宮市を結ぶ路線を6日後の23日から再開。鉄道網が寸断し、地上輸送を担える交通機関はバスだけだった。それから30年を経て、運転手が自立した対応ができるように努めている。
2025/02/20
-
能登半島地震の対応を振り返る~機能したことは何か、課題はどこにあったのか?~
地震で崩落した山の斜面(2024年1月 穴水町)能登半島地震の発生から1年、被災した自治体では、一連の災害対応の検証作業が始まっている。石川県で災害対応の中核を担った飯田重則危機管理監に、改めて発災当初の判断や組織運営の実態を振り返ってもらった。
2025/02/20
-
-
2度の大震災を乗り越えて生まれた防災文化
「ダンロップ」ブランドでタイヤ製造を手がける住友ゴム工業の本社と神戸工場は、兵庫県南部地震で経験のない揺れに襲われた。勤務中だった150人の従業員は全員無事に避難できたが、神戸工場が閉鎖に追い込まれる壊滅的な被害を受けた。30年の節目にあたる今年1月23日、同社は5年ぶりに阪神・淡路大震災の関連社内イベントを開催。次世代に経験と教訓を伝えた。
2025/02/19
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方