緊急時のリスクコミュニケーション
第16回 緊急時のリスクコミュニケーションの肝〜(戦略リスク)
株式会社フォーサイツコンサルティング/
執行役員
五十嵐 雅祥
五十嵐 雅祥
(一財)レジリエンス協会幹事。1968年生まれ。外資系投資銀行、保険会社勤務を経て投資ファンド運営会社に参画。国内中堅中小製造業に特化した投資ファンドでのファンドマネジャーとしてM&A業務を手掛ける。2009年より現職。「企業価値を高めるためのリスクマネジメント」のアプローチでコンプライアンス、BCP、内部統制、安全労働衛生、事故防止等のコンサルティングに従事。企業研修をはじめ全国中小企業団体中央会、商工会議所、中小企業大学校等での講師歴多数。
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□事例
新型コロナウイルスの拡大により、4月16日夜からこれまで7都道府県に限り発令されていた緊急事態宣言が全国に拡大されました。厚労省や各自治体からは毎日、「新規感染者数」「累計感染者数」「PCR検査実施数」「死亡者数」や「退院者数」などが公表され、新聞、テレビなどでそれらの数字が連日報道されています。
東京都内で事業を行っているA社では、4月7日に東京都に発令された緊急事態宣言を受け、社員の出社を原則禁止、ほぼ全ての業務をテレワークで行っている状況です。当面、来月6日までは現在の業務形態を継続する予定ですが、それ以降も緊急事態宣言が解除されない場合、テレワークだけでは業務に限界がくることが予想され、対応に悩んでいます。総務部長のBさんは、東京都が公表している感染者数を毎日チェックしています(東京都コロナウイルス感染症対策サイト:https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)。
都内では4月17日に201人と、これまでの最大の感染者数が報告されましたが、19日以降
は107人→102人→123人と推移しており、Bさんは「緊急事態宣言の効果もあり、都内では感染者数がピークアウトしてきているのではないだろうか? もちろんまだまだ油断できない状況にはあるのだが、米国では州によって経済活動再開の動きも出始めてきているようだし、このまま収束に向かってほしい」と思っています。
一方で、「新規感染者数の増減だけを確認していていいのだろうか? 何か他に気を付けてみておくべき数字はないか? 平常業務の再開する判断として、どのような情報を見ておく必要があるか?」と頭を悩ませています。
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