診断

鼻腔洗浄液、咽頭拭い液などからマイコプラズマを分離することで診断しますが、近年、迅速診断としてLAMP法(PCR法と同じ遺伝子検査)や抗原測定法が開発されてきており、より迅速な診断が可能になってきています。

しかし、必ずしも100%の診断率ではありません。また抗体測定による検査法もありますが、確定診断にはまだ精度が今ひとつとされています。ただ血清IgG抗体を急性期と回復期のペアで測定し4倍以上の増加があれば、確定診断になるとされています。

感染力と感染経路

罹患している人からの飛沫感染(写真:写真AC)

感染力はそれほど強くないといわれていますが、濃厚接触により、罹患している人からの飛沫感染で感染します。家族内や同じ施設の中での濃厚接触により地域的な流行をみることがありますが、地域での感染拡大の速度は遅く、学校などでの短時間での暴露による感染拡大の可能性は高くないと言われています。潜伏期間は2~3週間です。

気道粘液への病原体の排出は初発症状発現前の2~8日から見られ、臨床的な症状が出現する頃ピークになり、1週間程度は高レベルが続きます。そしてその後4~6週間ほど病原体の排出が続くとされています。

予防は基本的な手洗い、うがいなど(写真:写真AC)

2.予防

ワクチンはありませんので、予防は手洗い・うがいなど一般的な予防方法です。患者との接触を避けることも大切です。

3.感染した場合の対策・治療

マイコプラズマ感染症は抗菌薬による治療が有効です。特にマクロライド系の抗菌薬が第一選択薬となります。ただし2000年頃からマクロライド系抗菌薬に耐性を示すマイコプラズマが出現してきていて、最近では40~80%がマクロライド耐性であるともいわれています。

またマクロライド系の抗菌薬にはテオフィリン、カルバマゼピン、ワーファリン、シクロスポリンなどの薬剤との相互作用があるので、使用に際して注意が必要です。その他テトラサイクリン系、ニューキノロン系薬剤も効果がありますが、患者の年齢や病状によって使い分けを要します。

なお、ペニシリン系やセフェム系抗菌薬は効果がありません。投与法は軽症では経口投与、重症例では静脈内投与を行うことが多いですが、投与期間は臨床的な症状が改善しても再燃予防のために7日間から10日間継続することが望ましいといわれています。

学校保健安全法での出席停止期間は明確に定められてはいませんが、病状により、学校医その他の医師において感染の恐れがないと認められるまで出席停止の措置が必要と考えられています。