特集

アルジェリアの武装集団による邦人拘束・殺害事件をきっかけに、海外進出企業のリスク管理が改めて問われている。
一昨年のタイ大洪水、昨年のインド自動車工場における労働争議、中国での反日暴動に続き、日本企業に重い課題を突き付けた。
少子化高齢化に伴い、縮小傾向が確実視される日本経済は、海外に成長の道を探るしか再生を見込めない。

一方で、ビジネス・チャンスをつかむためには、同時に大きなリスクを取らざるを得ないという厳しい現実が待ち受けている。

「よほどの大企業しか海外のリスク管理には投資できない」。
多くの企業の担当者は、こう口をそろえる。しかし、リスクは、大企業、中小企業を問わずに襲いかかる。
むしろ、中堅以下の資金力が小さい企業ほど、対策に力を入れていなければ、本当の命取りになる。

先進企業の取り組みを取材すると、確かに簡単には真似ができそうにもない対策の数々に驚かされる。しかし、最も重要なことは何かと問い質せば「備えあれば憂いなし」「繰り返し取り組んでいくこと」と、ごく当たり前のことをいう。

最初からあきらめたら、ビジネス・チャンスどころか、リスクだけを取ることとなる。
先進企業の中から、必要なエッセンスを学び、まずはできる範囲で取り組みを始めることだ。

■特集
◆先進事例1 2万人の海外派遣員を守る開発途上国100カ国の安全対策

◆先進事例2 1日100件の危機情報を配信

◆海外進出の波 国内の停滞、避けられない海外進出

◆高まる進出リスク 邦人関わる事件、年間1万7000件

◆海外で発生した日本人・企業関係等の主要事件・事故

◆危機管理に「魔法の杖」は無い アルジェリア人質問題の考察

◆海外リスクにどう備える  企業の危機管理

◆海外展開におけるリスク対策支援企業一覧

◆海外進出・危機管理 役立ちリンク集

◆元アフリカ駐在員が語る海外進出のリスク管理

◆中東におけるプロジェクト・リスク