活断層が起こす地震の規模をより詳細に計算した(写真は2016年の熊本地震で倒壊した熊本県益城町の家屋)

政府の地震調査研究推進本部は4月27日、「全国地震動予測地図2017年版」を公表した。関東地域や中国地方において、特定の断層が起こす地震の規模を、詳細法と呼ばれる地盤の浅い部分と深い部分の地盤構造や地殻構造も考慮した計算を実施。「震度曝露人口」と呼ばれる地震の影響を受けるおおまかな人数も、詳細法を用いた断層に記載した。

これまで断層が起こす地震の規模は、震源地からの距離で計算する簡便法が主流。詳細法では地盤の構造や地殻構造を考慮したより詳しく計算を行っている。今年度版の予測地図では関東地域の13断層、中国地域の16断層で詳細法を導入。断層ごとの地表震度予測も2kmメッシュを用いた図で掲載している。

曝露人口の計算では震度6弱以上と6強以上のそれぞれ昼間と夜間で地震の影響を受ける人数を算出。東京都の立川断層帯の場合、最大で震度6弱以上の夜間で約1038万人に影響があると分析。影響を受ける人口分布もメッシュで示している。

■「全国地震動予測地図2017年版」
http://www.jishin.go.jp/evaluation/seismic_hazard_map/shm_report/shm_report_2017/

(了)