松本防災担当相(中央)は評価の進化を明言した

政府は27日、国土強靭化の推進に関する関係府省庁連絡会議を開催。「大規模自然災害等に対する脆弱性の評価」(脆弱性評価)の次期評価を作成する方針を明らかにした。2014年に最初の評価がとりまとめられて以降、初の見直しとなる。今年度内に素案をまとめる。

災害時に起きてはならない最悪の事態を45項目設定。類似した項目をまとめた分野別のワーキンググループ(WG)を設け、各WGに幹事府省を置いて検討を進める。発災から初期事象、事象、結果と時系列でまとめたフローチャートを作り、事象と結果の因果関係を見える化する。

例えば大都市での建物・交通施設の大規模倒壊や住宅密集地での大規模火災が起こった場合、まず倒壊により即死者が出るほか、交通施設の破壊や火災で安全な場所に退避できなかったりして、結果死傷者が多数生じる。こういった因果関係をわかりやすくまとめる。

6月末までに最悪の事態45項目のうち15項目のフローチャートをまとめる計画。45項目の内容や数も見直す可能性がある。松本純・防災担当大臣は会議の冒頭、「脆弱性評価をPDCAサイクルにより政府で進化させることが重要だ。積極的に取り組んでいく」と述べた。

(了)