ロックフェラー財団100RCに見る街づくりのポイント
レジリエンスをプロセスとしてとらえる
第12回:サンフランシスコ(アメリカ)
国際大学GLOCOM/
主任研究員・准教授、レジリエントシティ研究ラボ代表
櫻井 美穂子
櫻井 美穂子
ノルウェーにあるUniversity of AgderのDepartment of Information Systems准教授を経て2018年より現職。博士(政策・メディア)。ノルウェーにてヨーロッパ7か国が参加するEU Horizon2020「Smart Mature Resilience」に参画。専門分野は経営情報システム学。特に基礎自治体および地域コミュニティにおけるICT利活用について、レジリエンスをキーワードとして、情報システム学の観点から研究を行っている。Hawaii International Conference on System Sciences (2016)およびITU Kaleidoscope academic conference (2013)にて最優秀論文賞受賞。
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今回は、アメリカ西海岸の中心都市、サンフランシスコを取り上げます。今年初めにご紹介したオークランドの対岸に位置しています。2020年の推定人口は89万人。日本と同様に、地震が多いエリアとして知られています。
サンフランシスコのレジリエント戦略は2016年に策定されました。2016年は、1906年に起こったサンフランシスコ地震――マグニチュードは7.8だったとされ、3000人近い死者を出したといわれている――から110年の節目の年でした。2040年までに市の人口は100万人を超えるといわれています。それを踏まえて、「SF@1M」(1 million)のスローガンが作られ、レジリエント戦略の要所に使われています。100万人の人口を抱えるための都市能力を強化することが、レジリエント戦略策定の大きな目的です。
サンフランシスコのレジリエント戦略で特徴的なのは、戦略の中で「レジリエンスはプロセスだ」と言い切っている点です。この戦略を通じて彼らが目指すのは“レジリエンス文化”の醸成であると宣言しています。プロセスというのは、言い換えると、終わりのないアクションの連鎖です。実現可能なアクションのステップを繰り返し行うことが、レジリエンスの土台につながると考えています。
他の都市のレジリエンス戦略と同様に、サンフランシスコ市が抱える主要なチャレンジ(ストレスとショック)は6つにまとめられています。各ゴールの傘下にアクション群が設定されています。ゴールに向けた各アクションの進捗状況を評価するために数値的な指標も設定されました。アクションの実現をより確実なものにするために、各ゴールにひもづいた新たなイニシアティブを立ち上げます。
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